NECとNECソリューションイノベータは6日、新型コロナウイルスと結合する人工DNAアプタマーを開発したと発表した。DNAアプタマーとは特定分子と強く結合するDNAのこと。ウイルス表面のRBDという部位の立体構造を認識し、強く結合する。新型コロナウイルスの空間モニタリング計測装置などへの応用を見込み、年度内の提供開始を目指す。

 開発したアプタマーは新型コロナウイルスの感染のカギとなるRBDを標的に、強く結合する。結合試験評価の結果、各種変異株に対しても強く結合することを明らかにした。アプタマーが結合することで一部細胞に対して、若干の感染阻害力を持つことも判明した。

 NECは開発したアプタマーを膜型応力センサーの表面に形成することで、結合により電気抵抗が変化するウイルス計測装置を開発できるとしている。まず今年度はウイルス計測などの事業者や研究機関に提供し、2022年度には組み込み装置として空調機などへの導入を進める。また、感染阻害力を利用した抗ウイルス薬としての可能性も追求する。

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