富士経済(東京都中央区)は新型コロナウイルス感染症により大きく変容した検査市場を調査した。2020年は遺伝子検査薬市場が前年比2・2倍になるなど、大きな成長を果たした。反面、市場拡大は一過性にすぎず、コロナ終息とともに横ばいもしくは微減少、受診控えによる検査数減少が顕著だった細菌検査やポイントオブケア(POC)検査の需要が戻ると予想した。

 PCR検査の名で広く浸透した遺伝子検査の検査薬市場は19年99億円に比べ20年は222億円と飛躍的に拡大した。21年も拡大を続け275億円、以降24年までに317億円まで伸びると予想する。一方で、24年を境に、25年には308億円と縮小するとする。遺伝子検査薬市場は今後数年、新型コロナウイルス検査薬が市場の60%を占めるとしており、流行の状況に大きく左右されそうだ。

 このほか、病理検査、細菌検査、POC検査については、受診控えによる一時的な市場縮小が続くも、5年後をめどに19年相当にまで回復、20年比で10~15%の成長が見込めるとした。

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