連休の間、暇つぶしのお供はYouTube。昔のミュージックビデオだったり、鉄道や温泉といった旅ものだったり。自分の嗜好に合わせているばかりだと飽きてしまうので、いろいろ検索していると「プレイステーション(PS)5」の分解動画が見つかった▼ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の公式動画で、設計担当者がPS5を分解していく。限られたスペースにどのような部品が配置されているのか興味深く見た▼超高速・高精細の映像が売りなだけにCPUなど半導体デバイスへの負荷が大きくなる。それだけに熱対策に気を遣っていることが分かる。目立っていた部品の一つが冷却ファンで、直径が120ミリ、厚さも45ミリある。記憶装置はHDDではなく、SSDがメイン基板に直接実装されていた▼放熱には「液体金属」と呼ぶ新素材も採用されている。メインプロセッサーから発生した熱をヒートシンクに伝えるためのTIM(サーマルインターフェースマテリアル)に使われている。2年以上前から採用に向けて準備を進めてきたそうだ▼一見地味なようだが、新たな挑戦を続けているのがソニーらしさといえるだろう。最先端ゲーム機で培った放熱技術は半導体デバイスの負荷が高まるさまざまな機器に応用されていくはずだ。(21・5・7)

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