VLPセラピューティクス・ジャパン(東京都千代田区)は12日、開発中の新型コロナウイルスワクチン「VLPCOV-01」の最初の臨床試験を開始したと発表した。数十人規模の国内治験で初期の安全性や免疫反応などを評価する。自己増殖するRNA(レプリコン)技術を使った次世代型のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン。

 20~64歳の健康成人45人を対象とする第1相臨床試験を開始し、大分大学医学部付属病院で1回目の接種を始めた。VLPCOV-01を4週間隔で2回筋肉内接種し、安全性や免疫原性を評価する。中間解析の結果をみて、第2/3相試験や高齢者対象の第1相試験を来春に始める。第2、3相は国立国際医療研究センターなどで実施予定。治験薬は富士フイルムが製造している。

 VLPCOV-01は、ウイルスの目印となる抗原の「設計図」をmRNAとして接種するmRNAワクチン。米ファイザー製などと異なるのは、接種するとRNAが細胞内で自己増殖するレプリコン機能があること。少量でも抗体が十分に作られると期待されている。先行ワクチンより10~100分の1程度の量で済むため短期間で日本の全人口分を製造でき、副反応も低減できるという。

 米VLP社は米国立衛生研究所(NIH)の研究者だった赤畑渉氏らが2013年に創業したベンチャー企業。

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