VLPセラピューティクス・ジャパン(東京都千代田区)は18日、記者会見を開催し、新型コロナウイルスワクチンの開発戦略などについて説明した。同社が開発するのは、自己増殖するRNA(レプリコン)技術を使った次世代型のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン。来春にも3000人規模の治験を開始し、来年中の実用化を目指す。あらゆる変異株などに対応したユニバーサルワクチンも開発する。治験薬を製造する富士フイルムでは年5000万回分の供給能力を確保した。

 同社が開発するのは、次世代型のmRNAコロナワクチン。RNAに組み込まれているRNAを合成する酵素(RDRP)の働きを応用し、接種するとRNAが細胞内で自己増殖するレプリコン機能がある。少量でも十分な中和抗体が作られることを動物実験で確認しており、先行ワクチンより10~100分の1程度の量ですむとみている。細胞内に入ったRNAは約10日で消失するため、永久的に細胞内に残る可能性はないという。

 今月から最初の治験を開始し、初期の安全性や免疫原性、接種量などを評価。来春には3000人規模の大規模治験を始める。この結果をみて年内に承認申請し、供給開始を目指す。治験薬を受託製造する富士フイルムでは、現時点で年5000万回分の供給能力を確保した。

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