701-2

¥2,500(税別)

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著者
稲葉和也/平野 創/橘川武郎 著
出版社
化学工業日報社
発行日
2018年8月2日 発売
サイズ
B6判 330頁
ISBN
978-4-87326-701-2

本書の概要

 エネルギー・素材産業を取り巻く環境が世界的に大きく変化し、コンビナートは新しい時代を迎えています。
 国内需要の減少予測から、石油・石油化学・化学会社はプラントの縮小・廃棄を進めながら事業を再構築し、コンビナート統合による事業連携によってコスト競争力を高めて海外企業に対抗できる体制(コンビナートの高度化)を整えてきました。
 本書は、大きな環境変化に連動した国内コンビナートの新機軸として、①IoT(Internet of Things)を駆使したスマートコンビナート化、②水素の本格的活用、③複数のコンビナートを結ぶことによる地域間連携を取り上げ、解説したものです。
 石油・石油化学・化学会社の経営層や事業所長をはじめ、コンビナート業務に従事する管理職、現場実務者、地域の行政関係者にも必読の書です。

目  次

はしがき
第Ⅰ部 コンビナートは今
 第1章 コンビナートの歴史と現状
  1.コンビナートの現状
  (1)コンビナートとは
  (2)集約化が進むコンビナート
  (3)生産の動向と生産能力
  2.石油精製業の歴史
  (1)規制緩和に至るまでの概略史
  (2)規制改革と競争力強化の取り組み
  3.石油化学産業の歴史
  (1)日本の化学産業の概略
  (2)石油化学原料の選択および産業政策
  (3)石油化学産業の勃興と構造不況への対処(1958~1985年)
  (4)1990年代の再成長と市場の成熟(1986年以降)
 第2章 コンビナート連携事業の展開
  1.RINGの設立
  2.コンビナートの競争力強化とRING事業
  3.RING事業の展開
 第3章 産業競争力強化法50条の適用とコンビナート
  1.適用第1号は石油精製、第2号は石油化学
  2.石油精製は本当に「構造不況業種」か
  (1)内需の減退とガソリンスタンドの減少
  (2)製油所の設備縮小
  (3)国内での二つの成長戦略
  (4)海外での二つの成長戦略
  3.石油化学は本当に「構造不況業種」か
  (1)「 化学ビジョン研究会報告書」と「石油化学サブワーキンググループ報告書」
  (2)その後の変化と「石油化学産業の市場構造に関する調査報告」
  (3)シェール革命の影響の実相
  (4)「2正面作戦」の精緻化
  4.コンビナート統合の高度化の必要性

第Ⅱ部 新時代を迎えるコンビナート
 第4章 オープン・コンビナート
  1.事業連携による経済性
  2.事業連携の構築スキームと形態の分類
  (1)事業連携とスタグハントゲーム
  (2)コンビナート事業連携モデルの構築
  (3)事業連携の分類
  3.オープン・コンビナート
  (1)縮小均衡から成長のための投資へ
  (2)オープン・コンビナート
  4.コンビナートの持続的発展への布石
  (1)Plug&Playできるコンビナートの構築
  (2)地域内コンビナートの物流改革
  (3)コンビナート全体最適化のためのIoTによる生産革新
  (4)全体最適化に向けたIoT活用の問題点
  (5)連携に必要となるネットワークインフラ
  5.オープン・コンビナートの定義と留意点
 第5章 水素活用社会とコンビナート
  1.山が動き始めた
  (1)水素活用へ向けた動きの本格化
  (2)2014年策定の「エネルギー基本計画」における水素の位置付け
  2.水素活用の意義と課題
  (1)水素活用の意義
  (2)水素をめぐる四つの「誤解」
  (3)水素活用の課題
  3.エネルギー構造の転換と水素活用
  (1)エネルギー構造全体を変えるポテンシャル
  (2)水素と化石燃料との結合
  (3)水素と再生エネルギーとの結合
  4.水素活用へのコンビナートの貢献
  (1)水素の発生源としてのコンビナート
  (2)水素の受入れ基地としてのコンビナート
 第6章 コンビナートをつなぐ地域間連携
  1.実現し始めた地域間結合:東海地域
  (1)地域間連携の重要性の高まり
  (2)伊勢湾横断ガスパイプラインの実現
  2.間接部門からの地域間連携:瀬戸内地域
  (1)瀬戸内地域におけるコンビナート連携
  (2)山陽人材育成講座の展開
  (3)物流面での地域間連携の検討
  (4)山口県における石炭の共同輸送
  (5)コンビナートシンポジウムの開催
  3.地域間連携の促進が期待される地域:関東地域

第Ⅲ部 各コンビナートの現状と課題
 第7章 瀬戸内地域(大分/周南/水島/堺・泉北)
  1.大 分
  (1)昭和電工における総合石油化学計画の立案
  (2)昭和電工(大分・鶴崎)コンビナートの形成
  (3)大分石油コンビナートの現在
  2.周 南
  (1)周南コンビナートの歴史と現在
  (2)周南におけるRING事業
  3.水 島
  (1)水島コンビナートの歴史と現在
  (2)水島におけるRING事業
  4.堺・泉北
  (1)堺・泉北コンビナートの形成
  (2)堺・泉北コンビナートの現在
  (3)堺・泉北におけるRING事業
 第8章 東海地域(知多/四日市)
  1.知 多
  (1)知多コンビナートの概要
  (2)コンビナート水素回収・燃料連携事業
  (3)コンビナート冷水活用連携事業
  (4)伊勢湾横断ガスパイプラインの実現および食品コンビナートとしての知多地区
  2.四日市
  (1)四日市コンビナートの概要
  (2)四日市コンビナートの主要な石油・石油化学企業
  (3)コンビナート重油分解最適連携事業
  (4)コスモ石油と昭和四日市石油の事業提携
 第9章 関東地域(川崎/千葉/鹿島)
  1.川 崎
  (1)川崎コンビナートの概要
  (2)JXTG誕生のインパクト
  (3)「水素社会の実現に向けた川崎水素戦略」
  (4)川崎市臨海部ビジョン
  2.千 葉
  (1)千葉コンビナートの概要
  (2)製油所間の連携
  (3)エチレンセンターの再編
  (4)出光興産・昭和シェル石油の事業統合と富士石油の役割
  (5)石炭火力発電所新設計画のゆくえ
  3.鹿 島
  (1)鹿島コンビナートの概要
  (2)三菱ケミカルによるエチレンセンターの設備縮小
  (3)「鹿島臨海工業地帯競争力強化プラン」
  (4)洋上風力発電と水素活用

第Ⅳ部 コンビナート統合の進化形
 第10章 世界のコンプレックスから何を学ぶ
  1.世界のコンプレックス動向
  2.蔚山・温山(韓国)
  3.ジュロン(シンガポール)
  4.ジャムナガール(インド)
  5.ジュベイル(サウジアラビア)
  6.ベイタウン(米国)
  7.コンビナートの国際競争力強化に向けた今後の取り組み
 第11章 コンビナート統合の課題と今後の展開
  1.コンビナート連携の成果
  2.コンビナートが抱える主要な課題
  (1)生産設備規模の小ささ・老朽化
  (2)企業規模と収益性
  (3)産業構造の変化
  (4)人材確保の問題
  3.将来に向けての三つの展開
  (1)石油-石化連携以外の連携促進に向けて
  (2)地域間連携の実現に向けて
  (3)エネルギーマネジメントおよびB to BからB to Cへの展開
  4.産業政策・規制のあり方
 第12章 1コンビナート・1カンパニーへの道
  1.新しい時代を迎えるコンビナート
  2.コンビナート統合の進化を阻むもの
  3.「1コンビナート・1カンパニー」へ
あとがき

<好評既刊>
コンビナート統合
日本の石油・化学産業の再生

稲葉和也/平野 創/橘川武郎 著

B6判 270頁
定価:本体2,500円+税(送料別)
ISBN978-4-87326-619-0