海外プラント・エンジニアリング市場が回復基調にある。原油相場の下落、新興国経済の失速などで苦戦が続いたが、2017年度はプラス成長に転換した模様。18年度は、さらなる伸長が期待される。とくに電力需要の増加からアジアの液化天然ガス(LNG)基地案件はじめ中東産油国の製油所、北米のエネルギープロジェクトが動き出す公算が大きい。
 海外のプラント・エンジ市場は近年、世界的な景気後退の影響で設備投資の抑制が続いていた。しかし17年度は、原油相場が1バーレル60ドル近辺で推移したことに加え、新興国の経済発展にともなう電力需要への対応、都市開発・社会インフラ整備に関する案件や、米国の化学プラント案件、資源国のエネルギー開発などが静かに動き出した。
 なかでも日系機械・エンジ会社の主戦場であるアジア地域での設備投資、社会インフラ整備が進めば受注機会が飛躍的に増す。足元では成約にいたっていないものの、引き合いは着実に増えているようだ。
 北米では、LNGなどエネルギー企業の最終投資決定(FID)が18年度に複数案件で期待される。とくに電力不足の顕在化からLNGの需給バランスが23年ごろに逆転するとみられ、LNGプラント・基地などへの投資判断を、これ以上伸ばすことが難しい。また北米の石油化学プラントや中東の製油所の投資も注目される。
 日本機械輸出組合が主要プラント・エンジ輸出企業に聞いた17年度上期の海外プラント・エンジの受注実績は98億5000万ドル(前年同期比57・7%増)と100億ドルの大台に迫った。上期として14年度に次ぐもので下期も衰える兆しはない。
 地域別にみると、1位は全体の6割強を占めるアジアで62億8000万ドル(同18・7%増)と快走。2位はアフリカで22億8000万ドル(同5・1倍)と増加し、大型案件の受注が押し上げた。そのほか伸びたのは中東が5億9000万ドル(同3・6倍)、欧州が3億6000万ドル(同5・1倍)だった。
 機種別の首位は、全体の6割を占める発電で61億6000万ドル(同64・7%増)だった。2位のエネルギーも18億7000万ドル(同4・6倍)と快走している。化学は5億3000万ドル(同5・9倍)に急増した。
 海外プラント・エンジの受注は例年、下半期に増加するケースが多く、足元の受注環境をみても懸念材料は少ない。またプラント建設は、常に数年先の需要を見込んだ投資となる。18年度は日系プラント・エンジ企業にとって大きなチャンスといえそうだ。

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