化学工業日報
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日産化学株式会社

日産化学株式会社

日産化学株式会社

CEO メッセージ / CEO Message

代表取締役 取締役社長 木下小次郎

成長の源泉、その歴史を紐解く

当社グループは、1887年に当時の日本の食糧問題の解決に向け、日本初の化学肥料製造会社として誕生、先駆者たちの熱意と努力により、国内食糧生産の増加に大きく貢献しました。その後、社会と技術の変化に応じて事業を多角化、1965年には石油化学産業に参入しました。しかし、石油化学業界は体力勝負の世界であったこと、加えて1970年代の2度のオイルショックにより収益は悪化、石油化学事業を続ける体力は残っておらず、1988年に完全撤退しました。

その間、経営は苦しい状況が続きましたが、研究開発に精いっぱいの経営資源を投入してきました。農薬は戦後間もないころから新薬の探索を続け、1970年代、1980年代には電子材料や医薬品の探索を始めました。

1989年(平成元年)には「平成元年中期経営計画」を発表、「研究開発が主導するコンパクトで収益力のある会社」を基本コンセプトとして、事業構造の転換を進めました。

その結果、現在では、機能性材料、農業化学品、医薬品、化学品などを中心として、グローバルに事業を展開しています。

日産化学の強み

当社グループが景気の浮き沈みの中においても成長を続けている一つの要因は、バランスの取れた事業ポートフォリオを有していることにあります。これは、研究開発を成長の源泉とする経営を継続してきた成果でもあります。例えば、研究開発費は売上高の8%前後という、国内化学業界平均の倍近い比率を、そして人的資源については、総合職の40%超を研究員として投入しています。

木下社長

企業文化も重要な要素です。当社グループは先駆者たちから旺盛なフロンティアスピリッツを受け継ぎ、革新的な技術と新規事業に挑戦し続けてきました。そして長年に渡り培われてきた「風通しのよさ」、「誠実さ」があります。「愚直に誠実に」仕事に取り組んできた、常に人が主役の文化があり、皆で力を合わせて解決に取り組むスピード感、瞬発力を生んでいると考えています。

これらの相乗効果により、当社グループは成長を続け、国内化学業界内でも高い営業利益率という業績に結びついています。そして、当社グループはROEを最重要の経営指標と位置づけ、ROE向上を目的に、2006年より自己株式取得と消却に継続して取り組んできました。配当性向も段階的に引き上げており、現在では株主総還元性向75%維持という積極的な株主還元を目標として掲げ、達成しております。

それらが総合的に評価され、市場からは一定の評価を得ているものと認識しています。

新型コロナウイルスへの対応

新型コロナウイルスの感染拡大により、事業環境は大きく変わりました。当社グループはBCP(事業継続計画)に従ってお客様への製品・サービスの継続を前提に、最大限の在宅勤務実施などの感染防止策を講じてきました。新型コロナウイルスについては、形を変えてこれからも出現するものと捉え、その前提でBCPをさらに強化していきます。

そして、新型コロナウイルスが終息しても、働き方を含めて「元には決して戻らない」と考えています。人類や社会の進化は、常に大きな危機の後に生まれてきました。この未曽有の危機を乗り越えて、当社グループのニューノーマル(新常態)を構築していきます。

未来に向けて

当社グループは、創業時から現在に至るまで、社会課題の解決に向けて取り組み続けてきました。社会課題は時代とともに変化してきましたが、気候変動、人口の爆発的増加、食糧問題など、地球規模の課題は拡大し複雑化しています。そして、技術革新のスピードが加速している現代において、規模で勝る競合に勝ち続けることは、これまで以上に困難となっています。

持続可能な社会の実現に向けて貢献し、当社グループ自身が成長を続けるためには、サステナブル経営に注力することはもちろん、独自の技術に磨きをかけ、今までにない可能性、新しい価値の創出が肝要です。これまで培われてきたフロンティアスピリッツを胸に、これからも私たち自身が変化し進化していくため、常に新しい領域に挑戦を続けます。

コーポレートビジョン「人類の生存と発展に貢献する企業グループの実現」に向けて、グループの総力を挙げて邁進していきます。

価値を生み出す4事業領域

事業・製品/ Business and Products

機能性材料事業

タイムリーに適切な材料を創出

機能性材料事業部
ディスプレイ材料営業部
荘田 浩之

機能性材料事業部 ディスプレイ材料営業部 荘田 浩之

機能性材料事業部は、液晶ディスプレイ用の配向膜材料や半導体リソグラフィー用の反射防止コーティング材、超微粒子制御技術を用いた無機コロイド溶液、有機ELやフレキシブルパネル用の材料など多種多様な製品を扱っています。

サンエバー®
ノートパソコンや薄型テレビなどに
幅広く使われている液晶配向膜材料
「サンエバー®」(中小型機種では
高いシェアを有している)

その中で、私は配向膜材料の営業を担当しています。配向膜は液晶ディスプレイには必要不可欠な材料であり、ディスプレイの質を左右するキーマテリアルの一つ、といっても過言ではありません。社内外からの声をもとに、日々、研究所や工場、海外拠点など関連各署と連携し、お客様のご要望に沿う材料の提案・供給ができるように努めています。

当社配向膜材料はお客様から高い評価を頂き、スマートフォンやタブレットをはじめ、ノートパソコンや薄型テレビなどに幅広く使われております。特に中小型機種では高いシェアを有しております。

ディスプレイ業界含め世の中の状況は絶えず変化しておりますが、市場ニーズを捉えることができるようアンテナをはり、これからもタイムリーに適切な材料を創出、提供し続けることで、液晶ディスプレイの進化に貢献していきたいと思います。

化学品事業

お客様ニーズ捉えて製品を提供

化学品事業部
ファインケミカル営業部
高田 裕之

化学品事業部 ファインケミカル営業部 高田 裕之

化学品事業部は、基礎化学品とファインケミカル、二つの営業部が販売を担っています。基礎化学品営業部は、アンモニアを出発原料とする尿素、メラミン、硝酸、そして硫酸などの工業薬品類や高純度薬品、ディーゼル車排ガス浄化用の「アドブルー®」を取り扱っています。

一方ファインケミカル営業部は、尿素を出発原料とするシアヌル酸誘導体を主体として、プール・浄化槽向けの殺菌・消毒剤「ハイライト®」などの環境化学品、高機能化学品の「テピック®」、「メラミンシアヌレート」など幅広く用途に合わせて製品展開しています。

粉体塗料用硬化剤「テピック®」
粉体塗料用硬化剤「テピック®」

私が担当する「テピック®」は粉体塗料の硬化剤として世界各地で使用されています。近年、粉体塗料は溶剤塗料と比較してVOCの発生を抑えることから注目を集めています。また、電材グレードは主に高機能電子基板向けのソルダーレジストインキに採用されており、こちらはデータセンターの需要拡大、自動車の電子化、5Gの実用化など、さらなる拡大が期待されております。

「テピック®」は1978年の販売開始以来、グローバルで高いシェアを維持しておりますが、新グレードの開発も推進しており、今後もお客様のニーズを捉えた製品の提供を進めていきます。

医薬品事業

自社製品を世界中の患者さんへ

医薬品事業部
ファインテック部
内藤 真也

医薬品事業部 ファインテック部 内藤 真也

当社の医薬品事業は、自社創薬と、ファインテック®の二つの事業を柱としています。自社創薬は、カルシウム拮抗剤「ランデル®」、抗高脂血症薬「リバロ®」を開発し、グローバルな製品展開を行っているほか、画期的新薬創製に向け、パイプラインの拡充を図っています。ファインテック®は、自社製品の開発経験・技術を生かし、原薬・中間体の受託合成、ジェネリック原薬の開発・販売等のCMC開発をトータルにサポートする【技術開発型受託事業】を展開しています。

現在、私はジェネリック担当として、市場ニーズに即したテーマ選定、原料調達、登録申請および製薬会社との商談と多岐に渡る業務をこなしています。社内外の専門家と信頼関係を構築しながら、一つの目標を達成したときは、大きな達成感とともに自らの成長を実感でき、やりがいを感じています。

技術開発型受託事業を展開しているファインテック®の設備
技術開発型受託事業を展開している
ファインテック®の設備

今後、ファインテック®は、国内から、中国を皮切りにグローバル市場へビジネスを展開する方針です。新技術の開発、パートナーの開拓、各国の法規制への対応等、多くの困難が想定されますが、当社の関わる製品を世界中の患者さんにお届けするべく、業務に邁進したいと思います。今から、ワクワクが止まりません!

農業化学品事業

生の根本「食糧」の生産を支える

農業化学品事業部営業本部
札幌営業部農薬課
薄井 晶子

農業化学品事業部営業本部 札幌営業部農薬課 薄井 晶子

農業化学品事業部は、農薬をはじめ、緑地管理用薬剤や動物用医薬品を展開し、国内外に販売しています。当社は歴史を経た今も、創業にかかわった「バイオテクノロジーの父」高峰譲吉の精神を引き継ぎ、世界の人々の安定した食糧供給に向けて企業活動を行っています。主な製品として、水稲除草剤の有効成分である「アルテア®」、家庭用や非農耕地など様々な場面で使用される「ラウンドアップ®マックスロード」、ペット用外部寄生虫薬の原薬である「フルララネル」など、農業従事者だけではなく日常生活においても身近なものも展開しています。

グレーシア®
世界の作物保護に貢献する
新規殺虫剤「グレーシア®」

私は国内の農耕地に使用する農薬の営業担当をしており、お客様との商談を通じて、現場で求められるニーズに沿った提案を行っています。最近では、当社が創薬し、製造販売する「グレーシア®」という新規系統の殺虫剤の普及に注力しており、幅広い害虫を速攻的に防除できることからご好評をいただいております。当社はBtoB企業ではありますが、競争の激しい農薬市場で普及、拡販していくためには、生産者様の生の声を聞くことが重要だと考えております。食は生の根本であり、根幹には食糧生産があります。今後も農業生産を支える使命感を持って仕事をしていきたいと思います。

環境に左右されない
強い事業ポートフォリオ構築

企画本部長インタビュー/ Interview

縦軸と横軸を最適にかけあわせ
ブレイクスルーはここから

日産化学は新型コロナウイルスの感染拡大という厳しい事業環境のなかで、2019年度に営業利益と経常利益が6年連続、純利益が7年連続で過去最高を更新。コロナ禍においても、農薬新剤や、機能性材料のニッチトップ製品が伸長するなど、環境変化に強い事業ポートフォリオを構築できていることが好業績に大きく寄与している。

日産化学はさらなる飛躍に向け、昨年4月に企画本部を新設し、次の成長エンジンとなり得る新事業・材料の創出を加速させる方針。企画本部を率いる鈴木周取締役常務執行役員に、同社の研究開発の特徴・強みや新事業・材料創出に向けた意気込みを語ってもらった。

取締役常務執行役員 企画本部長 鈴木周

コア技術融合で成長エンジン

日産化学では高収益を支える成長エンジンが次々と生まれています。その仕組みについて教えてください

当社には、「精密有機合成」「機能性高分子設計」「微粒子制御」「生物評価」「光制御」の五つのコア技術があります。これらの異なる技術をうまく融合することで成長エンジンを生み出してきました。農薬と医薬は精密有機合成と生物評価が融合した好例であり、さらに動物薬の開発へと発展しています。

現在、当社の業績を牽引している液晶光配向材はポリイミド樹脂を原料としていますが、当社の機能性高分子設計技術と、医農薬分野で培った精密有機合成技術を融合することで生まれました。高分子の基になるモノマーから独自技術を駆使して合成することで、他社が真似できない性能、品質レベルを持たせています。半導体材料での成功もこれら技術の融合の結果です。いずれも当社が医農薬事業を有している強みであり、もし電子材料事業単独であれば、このような技術優位性は生み出せていないでしょう。

コア技術の融合は医農薬、電子材料以外でも生まれていますか

企画本部の開発材料の一つに、タンパク質や細胞などの生体物質付着防止コーティング材料「prevelex(プリベレックス)®」があります。半導体材料における薄膜技術と生物評価技術の融合により新たな医療材料を生み出しました。当社は3研究所に約500人の研究員を擁しています。規模的にも良い意味で小回りが利く組織体制とで、組織間の壁もなく、研究所や研究部が異なっても密にコミュニケーションをとることができます。これが研究所間で異なる技術を融合しながら新材料を生み出すための素地となっています。

その他の研究開発の特徴は

異なる領域に横串を刺して新材料を創出するという横軸が注目されますが、各領域では足元、次世代、さらに将来への技術開発を縦の主軸としています。例えば、医農薬では、新しい評価手法や合成手法の開発によるパイプラインの充実であり、ディスプレイ材料であれば、新たな配向材の基礎技術開発を大切にしてきた歴史があります。この縦軸と横軸をうまく掛け合わされたところにブレイクスルーが生まると考えています。

3領域で新事業・材料を創出

昨年4月に企画本部が新設されました

当社は2030年に売上高3000億円、営業利益500億円という長期経営目標を掲げています。足元の業績はIPS液晶光配向材と動物薬原薬「フルララネル」などで堅調です。ただ、この2製品が5年後、10年後も当社の収益を支える保証はありません。今ある事業が成熟期を迎えていくなかで、100億円規模の新たな事業をいくつか創出しなければ目標達成は困難です。

そのため、当社が将来のコアと定めた「ライフサイエンス」「情報通信」「環境エネルギー」の3領域で新事業・材料の創出を加速するため企画本部が新設されました。それぞれの領域ごとに材料開発部を設置し、権限と責任の体制を明確化しています。開発部長には事業部に在籍経験があり各市場をよく知っている人間を登用しました。開発テーマの「選択と集中」に取り組み、良質なテーマに人材や資金などのリソースを重点配分することで新事業・材料開発の成功確率を高めていきます。30年までに複数の事業を立ち上げるため、まずは25年までに10億円規模のビジネスを生み出していくつもりです。

「オールジャパン」の協業を

オープンイノベーションはどう進めていきますか

30年の目標達成には自前の開発テーマだけでは難しいと認識しています。いくつかのベンチャーキャピタルに出資し、良質なスタートアップ企業を発掘しています。21年度には複数のスタートアップへの出資を具体的に検討中です。

日本の化学企業はグローバルでみると規模が劣ります。また、日本の化学企業が強みを発揮してきた電子材料などの機能化学品も韓国や中国の企業が台頭してきています。国内化学企業の幹部の方々と腹を割って話し合うなかで、各社と共に、このままだと日本の化学企業は苦しい状況に追い込まれるという強い危機感を共有しています。

当社としてはまずは「誠実」を基本にしながら、自社の情報をある程度オープンにすることで、互いの信頼関係を構築したい。双方の情報を共有しながら話し合うなかで、協業の切り口が見つかると考えています。今後も社内技術の融合だけでなく、国内化学企業間の技術融合によって新たな価値を創造する「オールジャパン」の協業プロジェクトを一つでも増やしていくつもりです。

わたしの夢

材料科学研究所 矢島麻里

存在感ある
自社LIB材料を

私は入社以来、リチウムイオン電池(LIB)用材料の開発業務に携わっています。現在開発に取り組んでいるLIB材料は、内部抵抗の低減や高い密着性などの特性により、LIBの入出力特性向上や長寿命化が可能となります。これらが電気自動車(EV)用LIBに搭載されれば、EVの急速充電や航続距離の長期化が期待されます。

世界規模で環境規制が強まり、エネルギー利用効率の向上や脱炭素社会の実現にますますLIBが欠かせなくなっている中で、「自分自身の携わった材料が世の中に出て、人々の生活に貢献する」ことを目標に、日々の業務に励んでいます。民生用・車載用LIBともに世界各国のメーカーが激しい開発競争を繰り広げている中、顧客のニーズを逃さず、他社にない存在感ある自社LIB材料を創出し、採用を目指していきたいと思います。

企画本部 滝博嗣

熱い想いで
シナリオ創出

ベンチャーキャピタルへの出資等により良質なスタートアップ企業・新規テーマを発掘し、ライセンス・出資・M&A等でそれらを導入・事業化するのが新材料企画部のミッションです。私は、知的財産部を兼務しており、特許の調査、解析で得られる情報を、市場や社会の情報と融合させ、新規事業シナリオを創出することを目指しています。

特許情報を活用した新規事業シナリオ創出は、近年様々な企業で検討されています。しかし、確立された手法が存在するわけではなく、創出の成否は、手掛ける人独自の視点やセンス、何より新規テーマ創出への熱い想いに大きく左右されると感じています。

現在、世界には放置できない課題が山積みです。日産化学独自の創出メソッドを早期に確立し、そうした課題を解決する新提案を世に問いたいと考えています。

材料科学研究所 菓子野翼

光通信材料で
未来社会に貢献

当社における新事業分野の材料開発の中で、私は光を制御する材料の開発に取り組んでいます。現在注力しているのは、光通信用の光を高効率に伝搬させる材料、「SUNCONNECT®」シリーズです。近年、5Gの普及や将来の6G時代の到来に向けて、多量の情報を生成するサービスが急激に普及しています。その情報を円滑に処理するためには、光と電気の融合が必須となってきており、そのための光通信材料が必要とされています。「SUNCONNECT®」シリーズは現在実用化に向けた開発が進んでおり、近い未来社会に普及されることを目標に、日々研究を続けています。

また、光通信材料だけでなく、光を制御することで得られる革新技術を支える材料の開発を進め、未来社会に貢献したいと考えています。

生物科学研究所 阿武志保

再生医療の
早期実用化に貢献

当グループでは再生医療、創薬支援を目指した材料開発に取り組み、高分子材料を幅広く扱う当社ならではのライフサイエンス製品として、三次元培養用培地「FCeM®シリーズ」や生体物質付着防止剤「prevelex®」などを開発中です。また豊富な低分子化合物ライブラリを活かし、細胞増殖/分化促進剤、エクソソーム分泌の制御剤なども見出しています。

私は「FCeM®」開発を担当し、iPS細胞や間葉系幹細胞を用いて細胞機能の評価をしています。一例では、「FCeM®」培地中では間葉系幹細胞が室温で2週間以上生存し、治療効果につながる機能も向上していました。治療用の細胞を凍結不要(常温・密閉)でより簡便に、品質を維持して輸送や保存できるよう安全性の確認を含めさらなる開発を進めています。有用な材料開発を通じて早期の再生医療実用化に貢献できるよう、今後も研究に励みたいと思います。

サステイナブル企業のための
基盤

For sustainable companies

人材育成戦略

一流の挑戦者集団として成長

当社では、人事戦略を「人と組織の未来創造性を解き放つ」と定め、働きやすい職場作りや人材の確保・育成などの取り組みを通じて、事業基盤の強化を目指しています。

人材開発の本質は「社員一人ひとりが自発的に自己研鑽を積み、自己の成長と想いの醸成を図ること」にあると考えています。「学びたい」「成長したい」と願う社員のために、セルフスタート研修を始めとする各階層別の人材育成制度を整備しています。

セルフスタート研修の様子
学びたい、成長したいと願う社員のための
セルフスタート研修の様子

数十年の歴史があるセルフスタート研修では、「自分が何をすべきか、自ら考え実行していく」人材の基盤を築くことを目的に、技術系は入社後2年間、事務系は3年間をかけて、「オリジナリティをもった企画提案及び実行」に取り組みます。研修を通して、一人ひとりに実施指導者や実施責任者がつき、「想い」を形にできるよう、継続して後押しします。各年度末には、自身の取り組みを論文にまとめ、異なる専門分野をもった対象者が一堂に会し、討論会を行います。この研修で若手社員が提案したアイディアが採用され、その後の業務に活かされることも少なくありません。

さらに中期経営計画「Vista2021」の施策として、あるべき人材ポートフォリオの実現のために、人材要件別の育成プログラムを充実させています。例として、イントラプレナーシッププログラム(企業内起業家育成プログラム)では、現役企業家のサポートのもと、複数部署からの選抜混成チームが行動スキルを実践、試行錯誤を通じて、イノベーターとしての能力を体得しました。また、課長層向けのマネージャー育成プログラムでは、組織運営上のリアルな出来事の共有と内省を繰り返し、挑戦意識を高めることで、メンバー間で自主的に組織変革を志向する動きが生まれています。

これからも、一流の挑戦者集団として個と企業の持続的成長を実現するため、生きがい、働きがいに満ち溢れる人材基盤を育てていきます。

気候変動への対応と環境保全

ESG踏まえ取り組み強化

地球温暖化に伴い、豪雨や洪水、熱波などの自然災害の増加、食糧資源や水資源の減少など人々の生活や生態系へ甚大な悪影響を与えています。わが国においては、2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわちカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことが宣言されました。当社グループにおいても、気候変動の緩和や環境の保全は社会の持続性を維持するためには避けて通れない課題です。

当社は、2016年度に開始した中期経営計画「Vista2021」において、「2021年度までに温室効果ガス(GHG)排出量を2013年度比20%削減」という中期目標(KPI)を設定しています。気候変動の緩和の取り組みは同グループの重要課題(マテリアリティ)の一つとして掲げられており、2020年には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同も表明しました。

当社で最もGHG排出量が多い富山工場において、2016年度からアンモニア系製品の原燃料をナフサおよび重油から天然ガスへの転換や、硝酸プラントのダウンサイジングによる一酸化二窒素(N2O)の削減などにより、2019年度の段階で2013年度比29%削減を達成し、前倒しで中期目標を達成しています。更なる長期目標として、2021年1月に「2030年度までにGHG排出量を2018年度比30%削減」を新たに設定しました。

環境保全においては、生物多様性への取り組み、化学物質管理の強化、産業廃棄物・汚染物質の排出削減をマテリアリティとして積極的に推進しています。特に富山工場においてビオトープ(生物生息空間)を運営し地域に開放しており、今後は工場・研究所が所在するすべての地域で展開することを目指しています。

引き続き、事業活動を通じてESGへの取り組みをより充実・強化することで、社会の持続的発展に貢献します。

GHG排出量の実績と目情

日産化学株式会社

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