cmcre98-8

¥60,000(税別)

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著者
永井 順一
出版社
株式会社シーエムシー・リサーチ
発行日
2021年3月31日
サイズ
A4判・並製・140頁
ISBN
978-4-904482-98-8

本書の概要

[刊行にあたって]

 本書は、スマートウィンドウの基礎と応用について、筆者がこれまでに講義・講演・執筆してきたことを中心にしてまとめたもので、2018年に初版が出版された。
 スマートウィンドウは、電気・光・熱などの外部からの刺激に応じてその光学的特性が変化するクロモジェニック材料を用いるもので、萌芽的研究は約40年前に始まった。当時は、そうしたものを調光窓、あるいは調光ガラスということが多かったが、やがて総称してスマートウィンドウといわれるようになった。著者は偶然ではあるが、そうした先駆的研究開発に当初から携わり、内外の多くの研究者たちと交流し、研究成果について討議する機会を得た。
 本書の構成は、スマートウィンドウとは(1章)、予備知識:光学、電気化学(2章)、各種スマートウィンドウによる調光(3章)、スマートウィンドウの実用化における課題(4章)、まとめと今後の展望(5章)、引用文献(6章)からなる。この分野は学際的なので、物理・化学・数学などの多くの分野の基礎知識を要するが、必ずしも読者の方々がそれらの専門家ではないことも鑑み、なるべく本書1冊で他の専門書を参照しなくてもストーリーを理解できるように配慮した。また、本書で説明した重要な理論や実験結果についてはできるだけ原論文・原典を参照し、文献を明示した。
 初版では詳しく述べることができなかった応答性について、スマートウィンドウの応答性の近似計算-CR直列回路をラプラス変換で解く方法を紹介した。また金属酸化物を多用する系なので時として触媒活性が問題になることもあり、金属酸化物の界面化学や、酸性酸化物や塩基性酸化物について詳論した。
 スマートウィンドウはいまなお成長している分野であり、新たに生まれるバリエーションも多く、ここですべてを紹介することはできない。また、著者の解釈も必ずしも正確ではない箇所もあることを畏れるが、読者の方々のご意見を仰ぎたい。

[目  次]

第1章 スマートウィンドウとは
1.1 スマートウィンドウの役割
1.2 技術動向と社会情勢の変化
 1.2.1 1970年代
 1.2.2 1980年代
 1.2.3 1990年代
 1.2.4 2000年代
 1.2.5 2010年から今日まで

第2章 予備知識:光学、電気化学
2.1 光の透過・反射・吸収
2.2 制御対象の光の領域
2.3 電気化学

第3章 各種スマートウィンドウによる調光
3.1 電気化学的酸化還元で色を変える
 3.1.1 エレクトロクロミック(EC)
 3.1.2 ミラー状金属の電析
 3.1.3 ECスマートウィンドウの構造
3.2 触媒作用で色を変える
 3.2.1 金属水素化物のミラー調光
 3.2.2 水素スピルオーバーとWO3によるガソクロミック
3.3 電場で光学特性を変える
 3.3.1 PDLC(Polymer Dispersed LC)
 3.3.2 ゲスト・ホスト(GH)液晶
 3.3.3 サムスン・スマートウィンドウ
 3.3.4 SPD(Suspended Particle Device)
  (1)NSG社での取り組み
  (2)RFI(Research Frontiers Inc.)での取り組み
 3.3.5 電気光学的光シャッターPLZT
 3.3.6 光で色を変えるフォトクロミック(PC)
  (1)フォトクロミックガラス
  (2)有機フォトクロミック材料
 3.3.7 熱で色を変えるサーモクロミック(TC
  (1)VO2薄膜
  (2)配位子交換(Ligand Exchange)型:CoCl2の場合
  (3)Pleotint社のサーモクロミックウィンド
  (4)NSG社のサーモクロミック

第4章 スマートウィンドウの実用化における課題
4.1 スマートウィンドウの実用性能
4.2 スマートウィンドウと省エネ性
4.3 大面積化Scaleupと応答性
 4.3.1 IRドロップの問題
 4.3.2 IRドロップの改善策-傾斜ITO
 4.3.3 スマートウィンドウの応答性の近似計算-CR直列回路
4.4 耐久性
4.5 低コスト化
 4.5.1 透明導電膜
 4.5.2 メッシュ電極
 4.5.3 誘電体(D)/Ag/誘電体(D)
 4.5.4 金属ナノワイヤMetal-NW(Nanowire)
 4.5.5 CNT、Graphene
 4.5.6 湿式成膜
 4.5.7 強磁性体ターゲットの非磁性化
 4.5.8 成膜プロセスの改良
 4.5.9 金属酸化物の界面化学
4.6 フレキシブルかフラットか

第5章 まとめと今後の展望

第6章 引用文献