住友金属工業は、超軽量部材の開発など自動車分野における外部企業との連携を加速する。安川電機のロボット制御技術により独自の3次元熱間曲げ焼き入れ(3DQ)技術の高精度・高効率化を実現するなど、外部技術との融合で自社技術の高度化を進める一方、住友グループ各社との自動車技術に関する情報共有化の取り組みを開始した。すでに外部企業との連携では浜松ホトニクスとレーザー技術の自動車分野への適用に取り組んでおり、今後も差別化戦略の一環として独自技術を有する企業との連携を積極化していく考え。
 車体軽量化の取り組みは、欧州で2012年に導入されるCO2排出量規制(平均値130グラム/キロメートル)への対応から急速に活発化している。20年には95グラム/キロメートルへの規制強化も検討されており、素材開発を含む軽量化技術のニーズが非常に高まっている。同社では、昨年4月にカスタマーアプリケーションセンター「SMICAT」の機能と鋼板・建材カンパニー薄板技術プロジェクト部の自動車技術に関する企画機能を集約した自動車技術部を発足。車体骨格を照準に材料から生産設備までを含むソリューション開発に取り組んでいる。
 3DQは複数ある開発テーマのひとつ。1500メガパスカル以上の超ハイテンの閉断面部材成形が可能であり、任意の3次元形状と部分焼き入れができるのが特徴。閉断面化による軽量化と溶接レスによる加工コストの低減や信頼性向上を実現しており、今年2月には住友鋼管において試作用の量産プラントを導入している。開発にあたっては技術開発を住友金属・住友鋼管、製造装置を住友金属プラントが担当したほか、安川電機の多軸ロボットを採用することで実用レベルの精度と生産性を実現した。
 また、差別化技術の取り組みでは、新たに設備開発グループを設置し普及拡大を目指す熱間プレスの製造設備に関する開発体制を強化した。熱間プレスはドアビームやバンパーといった後付け部品を主に10万トンの実績があり、欧州では熱間プレスによる高ハイテン化が進んでいる。国内でセンターピラーといった構造部品へ適用を拡大するには現状の生産性を高めることが必要であり、現状の2倍の実現を目指す。
 一方、住友グループ各社との連携も検討していく。すでに昨年から自動車技術に関する情報共有化に着手しており、10社程度が参加してこれまでに2?3回の会合を開催している。また、これとは別に具体的テーマをもって協力していくことを目的とした個別に検討する場も設けており、他素材と鉄が共存するかたちでの自動車関連の次世代技術を追求していく。

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