ソルーシアは、自動車合わせガラス用ポリビニルブチラール(PVB)中間膜で、遮音機能や遮熱機能を持つ高機能中間膜の新製品を相次ぎ投入する。遮音中間膜では、自動車用ヘッドアップディスプレイ(HUD)に最適な「セーフレックスQシリーズ」を開発、すでに2010年型ビュイック・ラクロスのオプションとして採用された。また、遮熱中間膜では、インジウム・スズ・オキサイド(ITO)に代わる新材料を採用した「セーフレックス・ソーラーPVB」を開発し、複数のガラスメーカーが採用に向けテストを実施している。同社では、遮音、遮熱機能を持った高機能中間膜の販売比率を2009年の約15%から数年内に25%へ、さらに中期的には40%まで拡大させる考え。
 Qシリーズは、同社の3層構造を持つ遮音中間膜「セーフレックス・アコースティックPVB」をベースに開発した。一般的なフロントガラスの厚みは内側、外側とも2・1ミリメートルだが、同中間膜を使用した合わせガラスは、遮音性や安全性はそのままに、内側を1・6ミリメートルまで薄肉化でき、フロントガラスの重量を1平方メートル当たり500グラム軽量化できる。
 この遮音中間膜を、現在可能な最高品質のHUD映像を実現するために最適なチューニングを施したのがQシリーズ。中間膜の厚みをくさび形に変化させるなどの技術により実現した。
 一方、新たな遮熱中間膜は、赤外線吸収のため膜に分散させる材料を、インジウムの国際市況変動の影響を受けるITOから別の素材に変更した。これにより、新製品は従来の遮熱膜に対しコスト面で有利となっている。すでに日本を含めた複数のガラスメーカーが採用に向けテストを実施しているという。
 高機能中間膜は、自動車の軽量化と燃費向上、快適性の向上のほかにも、エアコンシステムの小型化などによる自動車のトータルコスト削減など、複数の機能、メリットを付与することができる。ソルーシアは次世代自動車の要求にマッチする高機能中間膜の販売比率を向上させることによって、中間膜事業のさらなる成長を図っていく方針だ。
 供給面では、アジアのPVB膜の押出拠点として07年に第1ラインの年産1000万平方メートルラインを完成させた蘇州工場において、すでに高機能中間膜製造への対応をすませている。さらに、12年には同2500万平方メートル能力の巨大な第2ラインを完成させる計画で、さらなるコスト・品質の改良を図っていく方針だ。

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