ホンダは、マグネシウム合金部品の低コスト化技術を開発した。この技術はエンジンヘッドカバーなどに使用されるAZ90D合金を対象としたもの。溶湯温度などの調整により耐食性に有害な金属間化合物を低減するとともに、溶湯中の含有ガスおよび介在物除去により新塊と同等以上の品質を実現。鋳造工程へのインライン化により従来の再生インゴット使用に比べて材料および溶解コストで約20%、製造時CO2で約36%の低減を可能にした。同社では、低コスト化によりマグネ合金部品の用途拡大を推進する。
 車体軽量化ニーズを背景に、欧米を中心に自動車部品におけるマグネシウム合金の適用が高まっている。しかし、マグネ合金はアルミニウム合金と比較して酸化防止や耐食性確保などの必要性からコスト的に高く、適用拡大には低コスト化が必要。低コスト化の有力手段であるスクラップ利用に関しても専業メーカーに再生を委託しているケースが多く、これがアルミ部品に対するコストアップ要因の一つとなっている。
 新たに開発した技術は、ダイカストメーカー内でスクラップを再生利用するために本田金属技術などと共同で開発したもの。溶湯温度とマンガン(Mn)量の制御によって、耐食性に有害なアルミ(Al)・Mn・鉄(Fe)金属間化合物の析出を抑制。その後にアルゴンガスを溶湯中に均一拡散することにより含有ガスや介在物、酸化皮膜を分離して、新塊と同等以上の品質を確保する。
 同社では、この技術をもとに溶解槽、溶湯処理槽および保持槽からなる3槽分割型リサイクル炉を開発し、再生溶湯をダイカストマシンの手元溶解炉に連続供給する製造システムを構築。このシステムによりV6エンジン用ヘッドカバーとインテークマニホールドを製造した結果、従来の再生インゴット使用に比べて同等以上の品質と大幅な低コスト化、CO2削減ができることを確認している。

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