伸銅品メーカーの権田金属工業(本社・神奈川県相模原市、権田源太郎社長)は、国内最大となる幅600ミリのマグネシウム合金板材の量産化技術を確立した。生産設備の改良と温度制御といった製造ノウハウの蓄積により実現したもので、AZ61をはじめAZ31やAZ91などのマグネ合金に適用可能。すでに月産1トンの量産体制を整備し、今春からサンプル供給を開始した。同社では、温間プレスによるマグネ板材の成形加工についても自社技術を確立しており、素材供給から成形技術までをサポートすることで同板材の用途開拓を推進する。
 同社は、マグネシウム合金の溶湯を上下の水平ロール間に流し込み、瞬間的に凝固させて薄板を通常の10倍の高速で引き出す双ロール鋳造法という独自製法をベースにマグネ合金板材事業を展開している。同製法は、急速冷却により等軸の細かい結晶粒径の鋳造板を製造できるため、これまで薄板化が困難だったAZ61やAZ91、AM50およびAM60といったマグネ合金の板材の製造を可能とするもので、結晶組織の緻密化により耐食性に優れるといった特徴を有する。04年に量産技術を確立するとともに06年には本社工場への製造設備導入により量産体制を構築し、幅400ミリ×厚さ0・5ミリ?2ミリの板材を供給してきた。
 600ミリ幅の板材は、鋳造ロールを幅広のものに置き換えるといった生産設備の改良と温度コントロールなど製造条件を緻密に制御することで実現したもの。国内はもとより世界的にも量産規模では最大となる。今年3月に量産技術を確立し、幅600ミリ×厚さ0・5ミリ?3ミリの板材を最大で月産5トンまで生産可能な体制を整備。耐食性に優れるAZ61を主にロールおよび600ミリ×1000ミリの板材として提供していく方針だ。
 用途開拓にあたっては成形加工技術についてもサポートしていく。昨年秋に「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」を受けてサーボプレス機を導入し、温間プレスによる成形加工技術の蓄積を図っている。板材によるプレス加工は現在主流のダイカスト製品に対して製品の薄肉化ができるほか、歩留まりや生産性の大幅な向上が可能であり、使用面での技術サポートをテコにステンレス代替として実績のあるプリント配線基板用リフローパレットなどで展開を図っていく。
 同社では、広幅板材の採用拡大に注力することでマグネ合金事業を黄銅および銅に続く第3のコアビジネスに育成する。

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