帝人ファイバー(大阪市中央区、亀井範雄社長)は、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維「テオネックス」の新規用途として、ポリプロピレン(PP)補強用繊維を開発した。PEN繊維を使用することにより、樹脂補強用として一般的に使用されているガラス繊維より耐衝撃性を大幅に向上し、軽量化も実現した。今後、軽量化や安全性のニーズが高い自動車分野や、電気、電子、建材分野など新規市場への展開を目指し、用途やニーズに合わせた開発を加速する。PP以外の樹脂補強用テオネックス繊維の開発も進める。
 PEN繊維は、帝人が開発した高性能ポリエステル系繊維で、一般の産業用ポリエステル繊維に比べ高強力、高モジュラスで、耐熱性や耐薬品性に優れている。従来はタイヤコードをはじめ自動車関連のゴム補強材などとして使われている。
 PPとの親和性や分散性を高める表面処理技術、樹脂を繊維束の中に十分含ませる紡糸技術などによりPP補強材としての展開が可能になった。ガラス繊維と比較して伸度が大きく、耐衝撃性を大幅に向上した。成形物が破壊されるときの衝撃吸収エネルギーが高く、破片が飛び散ることを抑制できるなど安全性も向上している。また、PEN繊維は有機繊維のため、廃棄樹脂の燃焼処分(サーマルリサイクル)が容易で、環境に配慮した素材となっている。
 軽量化ニーズにも対応している。PEN繊維の密度は1立方センチメートル当たり1・36グラムで、ガラス繊維の2・58グラムに対して小さいため、ガラス繊維強化樹脂(GFRP)より軽量化できる。各自動車メーカーは車体の軽量化に関する研究を活発化しており、高い耐衝撃性なども訴求して自動車の軽量化部材として採用の拡大を図る。

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