ニッパツは、自動車用ばねの軽量化を推進する。新たに中空コイルばねの量産技術を確立するとともに、材料線径をテーパー加工することで軽量化を図ったFSDコイルばねを開発したもの。いずれも独自形状のばね材料を採用したもので、従来品に比べて中空コイルばねで20?30%、FSDコイルばねで15%程度の軽量化を実現している。中空コイルばねについては、内外表面のさらなる面粗度向上に取り組みつつサンプル提供によるユーザー評価を進める方針。
 これまで自動車用ばねの軽量化は、主に素材の成分調整により応力を上げることで実現されてきた。しかし、近年のハイブリッド車や電気自動車(EV)の開発・普及を背景にさらなる軽量性を実現するためには、既存の鉄系材料における従来のアプローチではもはや限界となっているのが実情。また、鉄からチタンに置き換えれば20%程度の軽量化が可能だが、軽量素材への置換は高コストとなるため量産車では成立しないという課題がある。
 こうした状況のもと、同社ではさらなる軽量化を実現するため、ばね材料の構造に踏み込んだ製品開発に取り組んできた。量産技術を確立した中空コイルばねは、これまでの線材に換えて高強度パイプをばね材料として採用した製品。中空化により内面応力が高まることで従来品に比べ高性能化を実現しており、4輪車の懸架ばねに適用した場合に1台当たり10キログラム程度の軽量化が可能。同社ではパイプ加工から手掛けることで4輪車に加えて、より線径が細い2輪車用の製造技術も開発しており戦略商品として展開していく考えだ。
 一方のFSDコイルスプリングは、コイル形状に成形した際の応力分布に応じてばね材の太さをコントロールしたもの。構造的に余分な部分を削ぎ落とすことで従来品に比べて大幅な軽量化を可能としており、応力分布の緻密な制御と高精度な材料加工および成形技術により実現した。材料加工からの一貫生産体制を構築することで他社との差別化を図っていく。
 同社では、今後も独自技術に基づく製品開発を通じて自動車分野における競争力を維持していく考え。

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