ホンダは、C/Cコンポジット製摩擦材の低温焼成技術を開発した。炭素繊維・樹脂・気孔の組成割合を制御することで、焼成温度400度Cで既存のペーパー系摩擦材を上回る特性を実現したもの。同摩擦材を採用したクラッチは、高トルク容量で優れた耐圧性や耐久性を有しているほか、従来の高温焼成カーボンクラッチよりも生産効率に優れるといった特徴をもつ。モータースポーツなど採用が限定されているカーボンクラッチの普及技術として今後の動向が注目される。
 近年のエンジンの高出力化にともない、オートマチックトランスミッションの軽量・コンパクト化、高トルク容量化が進展。そのためクラッチに使用される摩擦材に対して高い摩擦係数と耐熱性および耐圧性の向上ニーズが高まっている。ペーパー系摩擦材にカーボン系材料を添加した製品の開発・実用化が活発化している。
 開発した摩擦材は、繊維径7マイクロメートル・繊維長6ミリメートルのポリアクリロニトリル系炭素繊維と粉末樹脂を水に分散させ、抄造してシート状にした後に不活性雰囲気下で焼成して製造したもの。今回は焼成温度400度C・耐熱温度380度Cに設定し、試験データをもとに必要な摩擦性能と強度を満足するよう炭素繊維、樹脂、気孔について独自の組成割合を決定した。カーボン系材料添加のペーパー系摩擦材がバインダ樹脂の特性から耐熱性を大きく向上させるのが難しいが、開発品は優れた耐熱性を実現しているのが特徴。
 同社が実施した評価試験によると、摩擦係数がペーパー系クラッチに対して非常に安定しているほか、摩擦性能も140度Cの高温条件下においてペーパークラッチに対して64%、炭素繊維添加ペーパークラッチに対して25%向上している。また、耐摩耗性能は3倍圧力時の摩耗量が炭素繊維添加ペーパークラッチの半分と高特性を有していることを確認している。

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