童夢カーボンマジック(本社・滋賀県米原市)は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)成形事業の用途拡大を加速する。「CF?CAST」と呼ぶ、オートクレーブ成形を軸にした独自の成形法を活用し、金属では難しい薄肉かつ複雑形状の成形品開発で、顧客の軽量化ニーズに応えていく。タイのグループ会社と連携しながら、車両、電子、医療、産業機械など、各種用途への展開を広げており、顧客数は今期(2010年9月期)に前期比10社増の70社前後へ増加すると予想する。さらには航空機用途への参入に向けた準備も進めており、今年から、航空機メーカーや重工メーカーへの本格提案を開始した。
 CF?CASTは、ダイカストなど金属の成形法では難しかった形状を、CFRPで実現する成形法。単純にアルミニウムをCFRPに変えただけでは、比重分として3分の1程度軽量化できるだけであり、物性もさほど変化しない。しかし、同社はオートクレーブ設備を活用し、積層や圧力負荷の手法を工夫することにより、ダイカストでは製法上限界があった部材の肉厚を、物性的に必要最低限まで薄肉化することに成功。加えて、部品の一体化を進めることで組み立てコストを抑え、顧客の採用を後押ししている。
 さらに同社が強みとするのは、05年に設立したタイのドーム・コンポジット・タイランドの存在。人件費コストの割安なタイで量産することで、日本で製造するのに比べ、コストを3?4割低減。日本で設計から試作、量産手順の確立までを行い、それをタイに持ち込んで量産することで、顧客のコスト要求に見合う製品設計を実現する。
 こうした生産システムや技術ノウハウが認められ、鉄道車両の高級シートやIT機器など新規用途への採用が相次いでいる。オートクレーブは大量生産には不向きだが、1000個規模なら金型投資が不要でコスト的に優位となり、計測器や実験機器など、高価だが生産数量の限られる用途で大きく拡大している。
 また、航空機向けには、09年末に航空宇宙用途への参入で必要となる「JIS Q9100」を取得。今後、「NADCAP」などの国際認証資格の取得に取り組み、まずは2?3年をめどに小型部品での採用を目指す。将来的には1次構造材向けにも参入したい考えだ。

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