大陽ステンレススプリング(本社・東京都練馬区)は、固体高分子形燃料電池(PEFC)用金属セパレーターの受託加工事業に乗り出す。金属素材に関する知見や保有する加工技術を活用して、試験開発用にユーザー仕様に応じたセパレーターを提供する。すでに量産性に優れた分析・観察用の研究評価用薄型セパレートも開発しており、同社では研究開発領域に事業対象を絞り込むことでPEFC分野における事業展開を図っていく。
 分散型電源として実用化が進むPEFC。先行する定置型PEFCでは、単セルのセパレーター材としてカーボン樹脂が標準化している。しかし、近年では薄肉化や低コスト化を目的に金属によるセパレーターの開発が進められており、とくに将来的な需要が見込まれる車載用では物性面から金属セパレーターが主流になるとみられている。
 同社は、ばね部品をはじめとしてスペーサーやブッシュといった各種機械部品を手掛ける金属加工メーカー。国内において自社開発による製造機械を軸に設計から製造までの一貫生産体制を構築しているほか、材料メーカーとの共同開発や保有設備による自社加工などによって他社にはない材料調達を可能としている。
 研究開発用途をターゲットとした金属セパレーターの受託加工事業は、保有設備や調達をはじめとした材料に関する優位性を軸に展開するもの。同社では、これまでにセパレーター向けにステンレスをはじめアルミニウムやチタンなどをサーペンタイン形状への加工実績を有するほか、集電板や締付板といった他部材についても加工した経験があり、材料腐食に関する知見などを蓄積している。事業化に際しては、こうした知見も活用して顧客をサポートしていく考えだ。
 また、新開発のステンレス製の研究評価用薄型セパレーターは、ワイヤーカット加工により0・2ミリ?1・0ミリの薄肉化を実現したもの。従来の切削加工品(厚さ6ミリ)に対して大幅な量産性の向上を図りつつ同等の電池特性を確保している。取り扱いが容易であり、同社では分析・観察用として提供していく。

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