日立粉末冶金と上板塑性(本社・埼玉県入間郡)は、焼結部品の高密度化を可能とする新製法を開発した。この製法は粉末冶金法で製造した部品を冷間鍛造するもので、密度比を98%以上に高められるのが特徴。粉末焼結で複雑な形状を成形し、強度が必要とされる部分を冷間鍛造によって高密度化することで高強度かつ軽量な部品などの製造が可能。両社では、切削加工部品の代替を主に用途開拓を推進する。
 新製法は、鉄粉や合金粉を原料に粉末冶金法で最終形状に近い形の焼結体を製造。これをサーボプレスで鍛造し、熱処理をして製品に仕上げる。焼結体をニアネットで成形するため一般の鍛造品に比べて材料の歩留まりが高く効率的なほか、必要な個所のみ高密度化することで高強度化と軽量化を高い次元で両立できるのが特徴。また、機能性原料粉末の混合により新材料創成も可能だ。
 特性評価試験では、焼結体を冷間鍛造することで焼結体内部の気孔が消失し密度比が90%から99%に向上。高密度化に応じて引っ張り強さや回転曲げ疲労強度などSCM420(クロムモリブデン鋼)相当の機械強度が発現することを確認している。また、浸炭焼き入れ・焼き戻しにより表面高度も60HRCまで高めることができる。
 近年、自動車分野では軽量化を目的にカウンターギア部品の溝部をレーザー加工する事例も出始めているが、新製法を適用すれば高強度かつ軽量な部品を効率よく製造できる。また、2部品の一体化や底付きの内歯といった複雑形状部品の製造や、切削加工では隙間(加工ぬすみ)が必要な形状の部品のコンパクト化が可能だ。
 すでに一部ユーザーと実用化に向けた取り組みを開始。今後、両社では新製法の特徴を活かして自動車をはじめとした機械部品分野で採用拡大に取り組んでいく。

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