JFEスチールは、自動車用ボディーパネルの高張力(ハイテン)化を推進する。コンパクトカーなど低価格車向けにユニハイテンおよびSFGハイテンという独自製品の普及拡大に取り組むもの。両製品ともアルミパネルやガラス繊維強化プラスチック(GFRP)に比べてコストが低く、専用装置を必要とせずに既存ラインで組み立てられるのが特徴。ユニハイテンではその品質性能が評価され、440メガパスカル級ハイテンがスズキの軽乗用車・新型MRワゴンに採用されている。同社では軽量化かつ低コストを実現する技術として、両ハイテンの採用部位・車種の拡大に取り組む。
 車体軽量化の取り組みの一環として、以前から自動車ボディー外板パネルの軽量化が取り組まれている。すでにアルミ合金製のパネル材が実用化されているほか、近年ではGFRPの開発が活発化しているが、いずれも鋼板に比べてコスト的に高く、軽乗用車やコンパクトカーといった低価格車での採用が難しいのが実情。一方、ハイテンは構造材として980メガパスカル級使用によるさらなる軽量化が図られているが、外板パネルに関しては成形性およびメッキ表面品質の点から300メガパスカル台の使用にとどまっていた。
 ユニハイテンは、ドアやフード、トランクリッドといった蓋物部品向けに開発した製品。フェライト(軟質組織)中にマルテンサイト(硬質組織)を均一に分散した複合組織型高張力鋼板であり、プレス成形(加工硬化)と焼き付け塗装(焼き付け硬化)により、100メガパスカル超の降伏強度向上を実現しているのが特徴。その特性からプレス成形性に優れるとともに、加工によりくぼみのような永久変形を防ぐ強度(耐デント性)向上が可能であり、従来の340メガパスカルBH鋼に対して10%程度の軽量化(薄肉化)を実現している。
 一方、SFGハイテンは、サイドパネルアウターやフェンダーといった複雑形状部品向けに開発したもの。結晶粒の微細化による強化および靭性の向上などにより、優れた深絞り成形性を実現しているのが特徴。440メガパスカル級までを商品化しており、複数の自動車メーカーで採用されている。
 当面、同社ではユニハイテンを軸に蓋物部品の440メガパスカル級への置換を推進する一方、製品開発の継続により将来的にさらなる高ハイテン化を目指す。

自動車関連ニュースの最新記事もっと見る