アーレスティと豊橋技術科学大学は高輝度光科学研究センターと共同で、ダイカスト材の疲労破壊現象の解明に成功した。高輝度放射光X線CTスキャンを用いた統計的解析により、複数の気孔(ポア)が局部的に近接し、かつダイカスト材表面に近い場合に疲労亀裂が発生することを突き止めたもの。物理的に高密度ポアの発生を完全に抑止することは難しいが、今回の研究成果によりポアの配列パターンを制御することでダイカスト材の信頼性向上が可能となることがわかった。
 金型に溶融した金属を圧入するダイカスト法は、優れた寸法精度と高い生産性により薄肉部品を中心に自動車や家電、産業機器などの製品に使われている。近年では工法開発の進展により、自動車の足回り部品の高い信頼性が要求される用途でも採用が進んでいるが疲労試験で亀裂生成時期や場所にバラつきが生じており、航空機部品のようなさらに信頼性が求められる用途への適用にはいたっていない。
 今回、高輝度放射光を用いたX線CTスキャン(コンピューター断層撮影)により、ダイカスト材の3D高分解能内部観察および疲労破壊プロセスの4D観察に成功し、ダイカスト材表面直下に高密度に分布する直径数マイクロメートルのポアを発見した。これをベースにポアが高密度に集まった状態と金属材料の疲労特性の関係を統計的に解析した結果、マイクロメートルオーダーのポアが集合し、それが表面から3-4マイクロメートル以内の範囲に存在する場合に疲労破壊につながることを突き止めた。
 研究成果の応用によりダイカスト法の信頼性向上と高性能化が期待できる。今後、従来適用が困難だった自動車部品や航空機部品におけるダイカスト材の採用が期待される。

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