ダイキン工業は、自動車向けフッ素材料事業を拡大する。電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)向けの材料供給や環境規制強化への対応を視野に入れ、最先端材料の開発や提案を積極化する。次世代車の車載用電池材料やガソリン・ディーゼル車の燃料透過規制対応素材などで攻勢をかける。従来型自動車と次世代車の両用途で拡販を進め、自動車関連のフッ素材料の販売を2010年度の約120億円から15年度には約200億円と6割以上引き上げる方針。
 耐熱性や耐油性に優れるフッ素材料は、自動車関連ではエンジン、燃料系部品などに使われている。滑り性も良好なため、回転部や擦り合わされる部分の摩擦を低減できる特性を持ち、多くの部品で使用される。自動車向けフッ素材料で最も使用量が多いのはフッ素ゴムで、6?7割を占める。主に高温エンジンルームや燃料油・オイルなどに接触する重要部品に使われ、材料の劣化によるオイル漏れや燃料透過による環境中への揮発を防ぐ。
 同社は、フッ素の特性を生かした高機能材料の開発を進めている。環境負荷の小さいEVやHVの普及には高性能の車載電池が必要とされる。耐久性や安定性、難燃性などに優れるフッ素材料は、正極用バインダー樹脂や電解液用フッ素溶剤、ガスケット用フッ素樹脂などリチウムイオン2次電池(LiB)用材料に多く使われている。同社は今後もフッ素材料を通じて、高電圧・高容量で安全性の高いLiBの実用化に貢献するとしている。
 従来型自動車の燃料透過規制に対応するフッ素材料として、燃料配管に使う超低透過性フッ素樹脂「ネオフロンCPT」が注目されている。材料特性と独自の積層技術により、従来のポリアミド12の単層チューブに比べて100分の1まで燃料透過を低減する。アルコール燃料やバイオ燃料など多様な燃料にも耐性を持つ。すでに部品メーカーへの採用実績がある。
 軽量化への対応も進展している。接着性フッ素樹脂を開発し、多層成形技術と組み合わせることで燃料タンクを樹脂化し、金属代替で軽量化に貢献できる材料の提案を始めた。耐燃料性や低透過性に加え、射出成形が利用でき肉厚コントロールを容易にするなど成形性も高い。従来の金属製より20-30%の軽量化が可能で、部品メーカーへの働きかけを強めている。

自動車関連ニュースの最新記事もっと見る