リケンテクノスは、自動車内装用途に向け、製造コストを抑えつつ高意匠性と高耐久性を実現したアクリル製の加飾シートを開発した。エンボス加工したフィルムを真空圧空成形により内装材に適用できるようにしたもので、フィルムの凹凸感により木目調やカーボン素材の質感を表現した。従来、フラットなタイプが主体だった市場に高い意匠性を武器に切り込む。2012年に上市される乗用車への採用が決まっており、今後はその実績をもとに、パソコン筐体など家電製品へも攻勢をかける。初年度1億円、中期的に5億円規模の売り上げを目指す。
 自動車業界では中高級車向けを中心に、素材感や表面のテクスチャーを重視する声が高まっている。しかし、本物の木材を使うと割高になるため、中高級車ゾーンではインサート成形タイプが普及しているが、フラットなタイプが主流であり、凹凸感を表現するには金型自体を加工する必要があるため、かなり割高となることが課題となっている。
 今回開発したのは、インサート成形品に比べて割安で、しかも凹凸感をもつ高い意匠性を実現した真空圧空成形用フィルム。自動車用途に対応するための耐熱性や耐候性、耐薬品性もクリアしている。同社は、建材向けで以前からエンボス加工による高意匠性のフィルムを展開しており、意匠性の表現に知見をもつ。ただ、従来品は塩化ビニル樹脂製やポリエステル製が主体だったため、高度な性能要求に応えるため、アクリル樹脂をベースにした製品開発を行った。現在、導管まで表現した木目調や織物タイプのCFRP(炭素繊維強化樹脂)調を製品化しており、今後は、さらに多様なデザインや、より本物に近い意匠性の開発に取り組む。
 家電用途への展開も狙う。ノートパソコンの天板などにもさまざまなデザインが求められているが、モバイル機器として建材より厳しい物性が要求されるため、アクリル系の加飾シートの活躍できる場は大きいとみている。同用途で一般的なインモールド成形よりも深絞りできることなどを訴求していく。

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