帝人化成は、従来品に比べて成形性を大幅に高めたポリカーボネート(PC)樹脂のガラス繊維(GF)強化新規グレードを開発した。独自の相溶化技術を用い、PCに特殊ポリマーを微細分散化させることで、汎用PCのガラス繊維強化グレードと比べて成形性が約1・5倍、剛性が約1・3倍になった。耐熱性や寸法精度は従来品と同等。すでにカメラ用部品などに採用が決まっており、精密機器やOA機器に用途を広げ、2014年に10億円の売上高を見込む。
 PCのガラス繊維強化グレードは剛性、強度、寸法安定性に優れ、情報エレクトロニクス製品の筐体や精密機器部品などに多く用いられている。これらの用途では製品の小型化・軽量化が進むなか、さらなる薄肉化を可能とする高い成形性が求められている。
 ガラス繊維強化樹脂には流動性を向上させるため改質剤が用いられるが、添加量が増えると耐熱性や剛性、寸法精度といったPC本来の特性が低下する課題を抱えていた。
 帝人化成が開発した新規グレード「パンライトGM?5100」シリーズは、高い耐熱性と流動性を持つ特殊ポリマーとPCをアロイ化。独自の相溶化技術を駆使し、特殊ポリマーがPCに微細分散化するように工夫、耐熱性や寸法精度を維持しながら成形性や剛性を高めた。
 ガラス繊維を30%添加した場合、従来の汎用PCの流動性(スパイラルフロー)が90ミリメートル、剛性(曲げ弾性率)が7000メガパスカルに対して、新規グレードの流動性は140ミリメートル、剛性は9000メガパスカル。寸法精度(真円度)と耐熱性(荷重たわみ温度)、従来品がそれぞれ18マイクロメートル、139度Cに対して、新規グレードは15マイクロメートル、137度Cと同じレベルを維持している。難燃性は米安全検査規格(UL)94のV?2(0・8ミリメートル厚)だが、V?0タイプも開発中。
 すでに携帯電話用カメラ、デジタルカメラなどの機構部品に採用されているが、精密機器やOA機器の筐体、自動車部品などにも用途を広げていく方針。また超高剛性タイプなど複数のグレードを用意しているが、炭素繊維強化タイプなど、今後さらにラインアップを増やしていく予定。

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