日本ピストンリングは事業領域の拡大を推進する。パワー半導体向けアルミボンディングワイヤーをはじめ、高機能多孔質金属や希少金属を含まない高強度片状黒鉛鋳鉄を開発。また、次世代モーター向けに注目される圧粉コアでは積層鋼板コアを上回る高効率化を実現した。いずれもコア技術をベースに開発・事業化に取り組んでいるもので、自動車分野などでの採用を見込む。同社では、保有技術の応用展開により事業基盤のさらなる拡充を目指す。
 同社は、ピストンリングやシリンダライナなどのエンジン機能部品を主に事業を展開する部品メーカー。日本をはじめ米国や中国、アジア地域に生産拠点を展開しており、国内外で製品を販売している。トライボロジー技術をはじめとした固有技術を核に新製品の開発にも取り組んでおり、家電用コンプレッサー部品や産業機械用部品などエンジン部品以外への製品展開も図っている。
 アルミボンディングワイヤーは、従来品に比べて破断強度を30%向上しているのが特徴。0・3ミリワイヤーの冷熱サイクルによる接合部のせん断強度試験では、1万サイクル時点のせん断強度劣化は従来品(Ni・50ppm)の5分の1以下であることを確認ずみ。高熱疲労特性に優れることから、ハイブリッド車や電気自動車のSiパワーデバイスやSiCデバイスでの採用を見込む。
 ダイヤモンド構造の特殊粉末を採用した多孔質金属は、空孔形態(大きさ)や空孔率で各種特性を実現できるほか、プレス成形やMIMにより3次元形状が成形可能。放熱・断熱材や衝撃・振動・エネルギーの吸収材のほか、アルミ合金の補強材(プリフォーム)として鉄系材料の軽合金代替での劣化特性の向上が可能。
 また、片状黒鉛鋳鉄はモリブデンやニッケル、バナジウムといった希少金属を使わずに高強度化を達成したもの。原材料費で35%程度の低減化を可能とするとともに、優れた耐摩耗性と炭化物の添加なしで良好な切削性を実現しており、シリンダライナや同ブロックなど向けに提案する。
 磁性粉末をプレス成形した圧粉コアは、形状自由度や工程削減によるコスト低減などのメリットから開発実用化が活発化している。製品設計によっては重量や材料費の削減が可能なほか、リサイクル性に優れるといった特徴を持つ。同社でも保有する粉末成形技術をベースに研究開発に取り組んでおり、汎用評価設備によるモーター効率確認試験では0・05Nメートル?0・15Nメートルの領域で積層鋼板コアを上回る高率化を実現している。同社では早期実用化に向けて開発を推進していく。

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