戸畑ターレット工作所(本社・福岡県北九州市)は、高速恒温鍛造技術による自動車用アルミ部品の事業展開を本格化する。同技術は、素材および金型の温度を制御して鍛造する加工法。高強度化とともに低コストかつ高生産性を実現しており、これまでアルミ化が困難だった鉄系鍛造部品の置き換えが可能だ。サスペンションやステアリング部品などにも適用できることから、新たな軽量化技術として普及促進を図る。同社では、積極的な取り組みにより自動車部品のさらなる軽量化に貢献していく。
 同社は、非鉄金属鍛造と切削加工をコア技術に住設設備や電力など向けに部品を展開する金属加工メーカー。自動車部品については、コア技術にアルミダイカストを加えた塑性加工一貫メーカーとして2006年に事業化。同年11月には北九州市に自動車部品の製造拠点としてダイカスト一貫生産工場を立ち上げている。
 近年、車体軽量化ニーズの拡大を背景にアルミ部品の適用が拡大しているが、重要保安部品では強度・品質およびコストの観点から一部の高級車を除き鉄製部品が引き続き採用されている。高速恒温鍛造技術は、アルミの高強度・高品質化手法として航空機部材などで採用されている恒温鍛造法をベースに開発したもの。専用装置の開発とプロセス最適化によって優れた量産性を実現しており、実用化検証を経て今年度から本格事業化した。
 同技術で製造されたアルミ部品は、組織の微細化により従来の鍛造法に比べて30%以上の強度向上が可能であり、冷間鍛造品との比較では引っ張り強度および耐力で6割前後、伸びで4割強の特性向上を確認している。また、熱処理などの後工程が不要なため工程数も少なく製造コストが低減できるほか、6061合金で中炭素鋼の80%以上の引っ張り強度を実現できる。こうした機械的特性の向上によりステアリングギアボックスやアライドアーム、タイロッドといった部品への適用が可能とみており、一部製品についてはすでに国内自動車メーカーに採用されている。
 同社では、新技術の優位性を軸に採用拡大を図ることで自動車部品事業の規模拡大を推進する。

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