ナノテックヴァルト(本社・宮城県)は、高耐久性を有するDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング膜を開発した。成膜条件や膜の傾斜層の工夫により、初期摩擦係数がμ=0・15と低く、従来のDLCに比べて100分の1の摩耗量を実現したもの。マグネット圧粉成形パンチによる性能評価では30倍の寿命向上を確認している。面圧の高い成形金型や高面圧ギアなどの信頼性向上や長寿命化といった用途での採用を見込む。
 DLC膜は、高真空中のアーク放電プラズマで炭化水素ガスを分解、イオンや励起分子の状態で製品にぶつけることで形成する。通常環境では不可能な結晶構造を形成でき、多様な特性を付加できることから幅広い産業分野で利用されている。
 DLC膜は、高真空中のアーク放電プラズマで炭化水素ガスを分解、イオンや励起分子の状態で製品にぶつけることで形成する。通常環境では不可能な結晶構造を形成でき、多様な特性を付加できることから幅広い産業分野で利用されている。
 ナノテックヴァルトはDLCコーティング処理やクラニックス(耐熱被膜)コーティング処理をコア事業とする表面処理メーカー。DLCコーティング事業では、独自技術をベースにDLCに各種ドーピングや構造制御をおこない、さまざまな高機能性を付与したICF(真性カーボン膜)シリーズを展開。すでに超鏡面や導電性、光学用、生体適合性、アルミ合金用などを製品化している。
 高耐久性ICFは、DLC膜の耐久性および耐摩耗性向上を目的に開発したもの。膜厚2?3ミクロンメートル、硬度が1000?1200HVであり、摩擦係数は0・13?0・16を実現している。マグネット圧粉成形パンチの耐久試験は、粉の付着防止とパンチ鏡面部の保護を目的にコーティングを施した。無潤滑・上下プレスの使用条件で実施した結果、従来DLC膜の1万ショットに対して30万ショットの高耐久性を有することを確認している。
 同社では、保有する技術データと成膜制御技術により、ユーザー仕様に応じて最適なDLC膜を提供することが可能。今後も市場ニーズに対応し、品揃えを拡充することで同事業の規模拡大を推進する。

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