日産自動車は、抵抗スポット溶接によるマグネシウム合金と鋼材の異種材接合技術を開発した。新技術は亜鉛(Zn)とマグネシウム(Mg)の共晶反応によりマグネ合金表面の酸化被膜を除去するとともに、マグネ合金に含まれるアルミニウム(Al)を介して金属間化合物層を生成することで冶金的に接合するもの。溶融亜鉛メッキ鋼板とAZ31合金を用いた評価試験で、新技術による接合継手が車体適用時に要求される疲労特性を有することを確認している。低コストかつ実車への適用を可能としており、マグネ部材の採用拡大が期待される。
 近年の車体軽量化ニーズの高まりを背景に、自動車部材におけるAlやMgなど軽金属への材料置換に関する取り組みが活発化している。機械的特性や成形加工技術といった部材そのものの開発とともに、マルチマテリアル化が進展するなかで異種材接合など製造コストに直結する組立技術の研究が進められており、実用金属中最軽量のマグネ部材では車体の主材料である鋼材との効果的な接合技術が普及に向けた大きな開発テーマとなっている。
 開発した接合技術では、接合の阻害要因であるマグネ合金表面の酸化被膜をZn‐Mgが341度Cと低温で共晶反応を生じることを利用して除去する。そのうえでAlが鉄(Fe)およびMgと金属間化合物層を形成する特性を応用して、Fe‐Al・Al‐Mg金属間化合物層を生成させることによって鋼材とMgの接合を実現した。リベットやろう材などの中間材を必要とせず、従来のアルミ合金用抵抗スポット溶接機がそのまま流用できることが特徴だ。
 同社では、厚さ1・2ミリメートルのAZ31、AZ61、AZ91の3種類Mg合金と板厚0・55ミリの溶融亜鉛メッキ鋼板を使用し、車体Al合金用のポータブルスポット溶接機を用いた接合試験を実施した。静的引っ張り特性としてせん断引っ張り強度と十字引っ張り強度を評価した結果、良好な継手特性を有することを確認するとともに、Al添加量に比例して継手強度が向上することを明らかにした。
 また、溶融亜鉛メッキ鋼板とAZ31による疲労特性試験では、せん断引っ張り負荷および十字引っ張り負荷の双方において実用に耐えうる試験結果を得ている。
 Mg合金はAl合金に対して比重が約0・7倍で比強度が約1・5倍であり、新接合技術の適用で採用部位が広がればより一層の軽量化が可能となる。

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