日本ファインセラミックス(仙台市)は、窒化ケイ素(Si3N4)の高性能化を推進する。弱点であった熱伝導率を改善して放熱性を高め、パワー半導体や発光ダイオード(LED)用基板といった成長が見込める用途に展開する。熱伝導率が100ワット/メートル・ケルビンと従来に比べて5倍近く高めた新製品を開発、このほど販売を開始した。破壊靱性も大幅に向上したほか、薄肉化も可能なことから窒化アルミニウム(AlN)など既存の基板材料からの代替を目指す。
 窒化ケイ素は機械的特性や耐候性に優れる半面、熱伝導率が低いために高い放熱特性が要求される半導体などの基板材料には向かなかった。同社は窒化系、炭化系セラミックスの性能向上に力を入れており、産業技術総合研究所との共同研究で熱伝導率を大幅に向上させた窒化ケイ素を開発した。
 焼結助剤などの工夫により、結晶粒子内の酸素を低減。これにより熱伝導率は従来の同23ワット/メートル・ケルビンから100ワット/メートル・ケルビンに高めた。窒化アルミの同170ワット/、メートル・ケルビンには及ばないものの、シート成形法を用いることによって板厚を0・32ミリメートルと窒化アルミの半分することができる。破壊靱性も向上させ、窒化アルミの2倍以上の水準を達成。3点曲げ強度も800メガパスカルと2倍以上。
 ハイブリッド自動車などに搭載されるIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)モジュール、照明などに使われる高出力LEDの基板などへの適用を狙う。
 同社はさらなる熱伝導率の向上に取り組む。産総研、電気化学工業と共同で窒化アルミに匹敵する177ワット/メートル・ケルビンを達成しており、早期の実用化を目指す。

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