マツダは、貴金属使用量の低減を可能にする自動車排ガス用触媒技術を開発した。新技術は白金族元素を配置した酸化物(サポート材)を従来比25%まで微細化し、それを耐熱性に優れるアルミナ表面上に分散担持するもの。微細化により触媒性能の向上を図る一方、アルミナの凝集(シンタリング)による性能劣化を抑制することで、エンジン直下(直結触媒)において従来に比べて30%少ない貴金属担持量で量産三元触媒と同等の性能を実現した。適用により「1台当たりの貴金属使用量を30?50%削減することが可能」(技術研究所先端材料研究部門 高見明秀部門統括研究長)であり、同社では実車への搭載を順次進めていく。
 自動車には窒素酸化物や一酸化炭素、炭化水素などの規制物質を窒素や水に分解するためにプラチナなど貴金属を使用した三元触媒が搭載されている。代替可能な触媒性能を有した材料がないなか、世界的に進む排出ガスの規制強化や新興市場におけるモータリゼーションの進展を背景に拡大する貴金属需要への対応を目的に、自動車各社は研究開発を活発化させている。とくに近年では浄化性能のさらなる向上からエンジン近傍に触媒を配置する排気系システムの採用拡大やアイドリングストップ機構の普及により、耐熱性と低温活性を両立した触媒の開発ニーズが高まっている。
 こうした状況を背景に、マツダでは2007年に床下触媒技術として「シングルナノテクノロジー」を開発。セラミックス粒子表面に直径5ナノメートル以下の超微細貴金属粒子を埋め込み固定化し、熱などで貴金属粒子が粒子塊に凝集することを制御し貴金属使用量の大幅な削減を達成した。新開発の触媒技術は、同技術をベースに直結触媒向けに高い次元で耐熱性と低温活性を両立したもの。
 具体的には、従来技術で500ナノメートル以上あったサポート材の粒子径を、100?200ナノメートルまで微細化することで材料表面の貴金属数を向上し触媒活性を高めた。また、新たにアルミナ粒子(粒径1?5マイクロメートル)をサポート材の担持体とすることで、熱による貴金属粒子とサポート材双方のシンタリング抑制を図った。物性評価試験で微粒子化により材料表面の貴金属(ロジウム)濃度が約1・6倍に増加していることを確認。また、エージング後における酸素放出量が従来材に比べて70%向上していることから、今後は「セリウムの使用量を低減することも可能」(同)とみる。
 すでに新技術を応用した排ガス触媒はSKYACTIVエンジン搭載のデミオに採用しており、同社では順次搭載車種を拡大していく方針。

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