ホンダ系自動車シートメーカーのテイ・エステック(埼玉県朝霞市)は、表面温度の上昇を抑制する新型シートを開発した。二輪車向けの同シートは、赤外線を透過させてウレタン内部に熱を拡散する独自構造により、現行の黒色シートに対して約20度Cの温度低減を実現した。また、表皮材表面の形状最適化により接触時の熱の移動量を抑制し、感覚的な「熱さ」を和らげている。採用により炎天下で座れないほどシートが熱くなるのを防げることから、同社では差別化商品として採用を働きかけていく。
 同社では、市場ニーズに対応するため2000年から熱くなりにくいシートの研究に着手。これまでに表皮材に赤外線反射顔料をコーティングした製品や、表面に透過顔料・底面に反射顔料をコーティングした製品を開発してきた。しかし、いずれも色調調整ができず、また、外観品質やコストなどに課題があることから実用化に至っていない。
 開発品は、表皮材に赤外線透過顔料をコーティングした塩化ビニル(PVC)シートを採用した二輪車用シート。これまでの赤外線反射顔料を使用した製品では、反射しきれない赤外線をカーボンブラックなどが蓄熱するため、表面温度が座れないほど上昇する場合があるが、開発品では赤外線を透過させてウレタン内部に熱を拡散するためその心配がない。性能評価試験では、外気温33度Cにおいて現行黒色品が80度Cまで上昇したのに対し、開発品は66・3度Cと温度上昇が抑制されているのを確認している。
 また、シート表面には微細な凹凸をつける独自のシボ加工を施し、乗り心地や防汚性などを損ねることなく接触面積の縮小化を図った。これにより人が「熱い」と感じる度合いを緩和しており、接触冷温感評価値Q?MAXでは従来品が1・32ワット/平方メートルと我慢できないほど熱くなっているのに比べ、開発品は0・50ワット/平方メートルと「温かい」レベルとなっている。
 赤外線透過顔料を用いた同技術は、密閉空間でなければ他の用途にも適用可能。同社では、四輪車でもオープンカーのシートやハンドルなら効果が期待できるとしている。

自動車関連ニュースの最新記事もっと見る