大同特殊鋼は、自動車の駆動系部品などに使用される熱間鍛造部品の軽量化技術を開発した。新技術は、加工部分に応じた温度制御により同一鋼種で強度傾斜を付与する制御鍛造プロセス。強化したい部分を急冷・低温加工し、機械加工性を必要とする部分は高温加工することで、機械加工性を確保しつつ高強度化による部品軽量化が可能となる。コンロッドを模擬したプロトタイプ部品で強化部と軟質部の強度差を確認しており、同社では大型部品への適用可能性など実用化に向けて開発を進めていく。
 燃費改善効果の高い駆動系部品では、鉄鋼材料の高強度化による軽量化ニーズが強い。しかし、従来の熱間鍛造では高強度化により機械加工性が低下してしまうため、部品の軽量化が困難だった。
 同社の制御鍛造プロセスは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「鉄鋼材料の革新的高強度・高機能化基盤研究開発」プロジェクトの一環として開発を進めてきたもの。加工誘起析出によってバナジウムカーバイド(VC)の析出状態とマトリックス組織を部位ごとに変化させて強度差を付与する。同一鋼種の基礎試験では、0・2%耐力で強化部1000メガパスカル以上、軟質部900メガパスカル以下の強度差付与を実現している。
 コンロッドのプロトタイプ部品では、中央の強化部(棹部)を本成形後に冷却装置で580度C程度まで衝風冷却した後にコイニング加工を実施した。一方、軟質部(端部)は本成形後に放冷して750度C以上に高温に保ってコイニングし、その後に部品全体を580度Cの電気炉内で20分保持して水冷した。各部位の硬さ測定結果では、強化部と軟質部で66HVの強度差があることを確認している。
 新技術は、本成形までは従来の熱間鍛造と同様であり、後工程の設備追加により適用できるのが特徴。今後、部材としての強度特性の評価を進め、実部品への早期適用を目指す。

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