産業技術総合研究所は、高せん断成形加工法(HSP)を用いた新高分子ナノコンポジットの開発を加速する。燃料電池用電極材料(バイポーラプレート)や、自動車用窓材向け材料の開発に続き、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の大幅な性能向上を可能とする改質や、植物由来プラスチックの改質による新規エコマテリアルの創製にも成功した。新規材料のさらなる最適化を進めながら、ベンチャー企業「HSPテクノロジーズ」により事業化を進める。
 HSPは、相溶化剤などの添加物を一切使うことなく、容易に相溶しないポリマー同士や強化フィラーなどをナノレベルで混合化・分散化する技術。すでに自動で連続運転可能な高せん断成形加工機を開発しており、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とポリアミド6(PA6)ブレンド系にカーボンナノチューブを添加した3元系ナノコンポジットによる燃料電池用の電極材料や、ポリカーボネート(PC)とポリメチルメタクリレート(PMMA)の透明ブレンドによる自動車窓用材料の実用化を進めている。
 これらに続き、HSPを用いた新規材料の開発を加速する。CFRPでは、層状ケイ酸塩の添加とHSPの利用により、CFRPを大幅に改質できることを見いだした。このため、ナノフィラーの選択とHSP加工条件の最適化を進めながら、スポーツ用品や自動車用部品としての応用展開を図っていく。
 また、ポリ乳酸(PLA)と植物由来ポリエチレン(PE)とのブレンドによる新規エコマテリアルでは、両方のポリマーの力学性能を相乗的に発現させ、弾性率が高く、破断伸びにも優れた材料の創製に成功した。自動車用燃料タンクや化粧品容器素材としての応用可能性を検討していく。

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