住友ベークライトは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の成形工程で使われる離型フィルムを開発、市場開拓に乗り出した。特殊なオレフィン系樹脂を使用しており、主流のフッ素樹脂系フィルムに対して割安で、かつ型追従性に優れ、高い意匠性の表現が可能になる。一時期供給の滞ったフッ素系フィルムに対して十分な供給力があることも訴えていく。すでに一部顧客に採用が内定しており、拡大の見込まれるCFRP市場に広く売り込んでいく。
 同社が開発した離型フィルムは、コンプレッション成形の際に使われるもので、内外層に剥離層を設けた3層構造としている。尼崎工場(兵庫県)の既存設備を転用できるため、需要が本格化しても多額の設備投資は必要ない。原料樹脂の価格差から、フッ素系フィルムより数割低価格で提供できる見込み。
 幅広い温度域(120?190度C)での成形加工が可能なため、一般的な熱硬化性樹脂なら十分マトリックス樹脂として使用できる。型追従性にも優れるため、成形加工時のシワを低減できる。離型フィルム表面は艶ありタイプと艶なしタイプをラインアップする。艶ありタイプの場合、フィルムの表面粗さ(Rz)は0・5マイクロメートルで、艶なしなら6・0マイクロメートルで提供する。
 フッ素系フィルムは比較的高価なため、50マイクロメートル程度の薄物を使用するケースが多いが、薄いためにハンドリングしづらいといった点も指摘されているという。開発品は100?150マイクロメートル厚でも十分コスト的に成り立つことから、プロセス内での扱いやすさも向上する。
 今後、顧客の要望に合わせて物性改良を継続しながら、採用を拡大していく考え。CFRPは世界的に強度や軽量化の機能性を生かし、航空機や自動車、一般産業用途などで開発競争が続いており、市場規模はますます拡大していくとみられている。同社は開発品をコンプレッション成形に限ることなく、熱成形加工関連の幅広い用途への展開を図っていく。

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