アフターパーツメーカーのAMS(愛知県名古屋市)は、形状記憶合金を応用した自動制御開閉グリルユニットを開発した。開発品は開閉ばねにチタン(Ti)?ニッケル(Ni)系合金を採用することで、モーターやシリンダーなどの動力を使わずに温度環境に応じたダクトの開閉を実現した。温度センサー、配線やスイッチなどが不要であり、最低限のメンテナンスで半永久的に動作する。同社では、ハイブリッド車向け装着キットの量産準備を進めており、低コストユニットとして展開していく。
 自動車の燃費向上にはエンジンルーム内の温度を適正に保つことが重要。とくにハイブリッド車では、冬場のエンジン低温時には暖気のためだけにエンジンが稼働するため燃費が低下してしまうという課題があり、フロントグリルからの冷気流入を制御する必要がある。近年では、こうした市場ニーズを背景にエンジンルームへの空気流量をコントロールする自動システムの開発・実用化が積極化している。
 新型グリルユニットは吉見製作所、東洋精鋼および名古屋大学と共同開発したもの。形状記憶合金は、特定の温度(変態点)以上の加熱で元の形状に戻る効果や、変態点以上の温度で元の形状を回復する超弾性効果を有する。開発品は同合金ばねをアクチュエーターとする独自機構の採用により、動力なしで低温時には空気の侵入を遮断して速やかなエンジンの昇温および保温を行い、一定温度以上に上昇した後は通気を回復する機能を実現している。
 既存の自動開閉機構に対して駆動装置がないため構造が簡素であり、優れた耐久性やメンテナンス性を実現しているほか、静粛性に優れるといった特徴を有する。とくにセンサーなどの部品を使わないので製造コストが安く、配線などが不要なため取り付けも簡単だ。同社では、低コスト・高耐久性を実現した自動車開閉グリルユニットとして提案していく考え。

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