リコーは静岡大学との共同研究で、ポリ乳酸(PLA)の金属触媒フリー低温重合技術の開発に成功した。高圧の二酸化炭素(超臨界CO2)と有機分子触媒を組み合わせることで、40?60度Cの低温、15分以下の短時間でより高純度なPLAを高効率・低コストで製造できる。PLAのほか開環重合性モノマーの重合も可能。今後、ポリマーメーカー、装置メーカーとの共同開発、ライセンス供与など幅広い分野でアライアンス・パートナーとの事業展開を検討する。
 従来、PLAの重合にはスズ系触媒を使用し200度C以上の高温で数時間かけて行っていた。ただ、高コストで残存モノマーが出ることもあり、より高効率の重合法が求められていた。
 今回開発した新重合技術は31度C、7・4メガパスカル以上の超臨界CO2と有機分子触媒を使用することで、40?60度Cの低温で連続重合が可能。残存モノマーがほとんどなく、高効率で高純度PLAが生産できる。低温で製造するため、一般的なPLAと比較して色が白いことも特徴。付帯設備などが不要になるため、「従来の設備の100分の1の規模」(同社)のコンパクトな製造設備となる。有機分子触媒は、高圧CO2に良溶解することから超臨界抽出操作の技術で除去できる。
 また、異種モノマーを逐次添加する重合法や、ポリマーブレンド法によって、耐熱性などの機能性が高いステレオコンプレックスPLAの製造も可能。またイプロシンカプロラクタムやプロピレンカーボネートなどの開環重合性モノマーの重合、これらのモノマーとPLAとの共重合も可能であることを確認ずみ。
 新重合技術で生産したPLAは有機溶剤・金属触媒フリーといった安全性、高純度、低コストなどのメリットがあることから、リコーは幅広い分野でアライアンス・パートナーとの提携を進める方針。
 リコーは、環境経営の一環として石油由来樹脂を使用しない「代替材料の開発」を独自に進めている。バイオマス樹脂はこの1つで、耐久性・難燃性を高めたPLAの開発などを行っている。

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