深井製作所(栃木県)は、新たに特許を取得した高剛性ホットフォーミング技術を軸に、独自開発したエンボスハニカム技術の普及拡大を図る。従来のホットフォーミングが金型を介した間接冷却であるのに対し、新技術はエンボス加工した板材と金型の間に設けた隙間に冷却水を循環させて直接冷却するもの。超ハイテンによる高強度化とエンボス効果による高剛性化を両立できるのが特徴で、自動車部材のさらなる軽量化が可能となる。曲げを主体とする面外剛性の向上に効果的なことから、同社ではサイドシルなどへの適用を見込む。
 同社のエンボスハニカム技術は、金属板に正六角形のハニカム配列でエンボス形状を施すことで剛性を約3倍に高めることが可能。高剛性化により板材を薄肉化できるため、素材を置換することなく部材を軽量化できるのが特徴で、すでに自動車用燃料タンクの遮熱カバーなどに採用されている。
 特許を取得した高剛性ホットフォーミング技術は、エンボス加工した高張力鋼板(ハイテン)を成形加工する技術。既存のホットフォーミングでは、金型内に流れる冷却水との熱交換により焼き入れを行うため、金型との接触が少ないエンボスを使ったプレス製品には適用できなかった。新技術は金型と板材の隙間を水路にみたて強制的に冷却水を循環させることで焼き入れするため、エンボスを残存したままでのプレス成形を可能としている。
 近年、ハイテンの採用拡大により自動車部材の高強度化が進んでいるが、剛性については一般鋼とほとんど差がなく、部材断面積の拡大や断面形状の複雑化により対応が図られているの実情。新ホットフォーミング技術の採用により、こうした断面形状の工夫をすることなく980メガパスカル以上の超ハイテンの剛性アップが可能で、自動車部材のさらなる軽量化や低コスト化が期待できる。
 エンボスハニカム技術については系列や業界の枠を越えて普及させるため、昨年11月に新ブランド「embrella」を立ち上げている。今後、汎用的な薄板・軽量化技術として自動車以外の分野でも積極的な用途開拓を推進していく。

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