ハンダ材料最大手の千住金属工業(東京都足立区)は、アルミハーネス用ハンダ材の本格展開に乗り出した。自動車分野で進む銅製ハーネスからの置き換えに対応し、新たに開発したアルミ用ハンダの採用拡大を推進するもの。新製品は材料にアルミニウムとの電極電位差が小さい亜鉛(Zn)を選択することで、電解腐食の抑制による信頼性向上を実現している。同社ではLED照明用放熱板や医療、介護器具の軽量化などの用途での採用も見込んでおり、普及に向けて取り組みを積極化する。
 千住金属工業はハンダ材料の総合メーカー。鉛フリーハンダでは「エコソルダー」シリーズを展開しており、2000年に標準的材料のM705を商品化して以降、市場ニーズに対応して製品ラインアップの拡充を図ってきた。車載用途では、過酷な使用条件において高い接合強度の維持が可能なM53を製品化しており、その優れた耐熱疲労特性から着実に販売を伸ばしている。
 現在、自動車には1台当たり20?30キログラムのワイヤーハーネスが搭載されており、ハーネス重量の60%以上を電線が占める。近年の軽量化ニーズの高まりを背景に動力系ハーネスでは従来の銅線からアルミ線への置き換えが活発化しており、ドア回りを中心に低圧系アルミハーネスの採用が拡大傾向にある。
 これまでのハンダ(Sn・Ag・Cu)をアルミと接合した場合、その電位差から接合部に電解腐食が発生し、それが機器の故障の原因となる。独自開発したハンダは、アルミとの電位差が小さいZnを採用したSn・Zn合金製とすることで電解腐食を抑制したのが特徴。また、フッ素イオンによって酸化被膜を物理的に除去するフラックスと超音波ハンダ付けの採用により良好な接合を実現しており、品質評価試験によりハンダへのアルミ線食われを0・1ミリ径線で従来比30%、0・2ミリ径線で約50%改善していることを確認している。
 同社では、電気自動車(EV)の普及などにより今後の需要拡大が確実視されるアルミハーネスの端子接続用に同製品の採用働きかけを強化していく。

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