レニアス(広島県三原市、前田導社長)は、ポリカーボネート(PC)樹脂製の自動車用ガラス(PC樹脂グレージング)で、発熱層を付与することで曇りを防止し視認性を向上させる技術を開発した。すでに開発している耐擦傷性技術や赤外線遮断技術などと組み合わせることで、リアウインドウ用としての採用を目指す。すでに、各種技術を盛り込んだPC樹脂グレージングの生産設備を整え、性能・加工条件の調整に入った。
 発熱機能は、導電パターンをあらかじめ印刷した透明導電シートを、車内側コーティング層の内側に導入することで付与した。ガラス製ウインドウの熱線と同様の働きにより、リアウインドウの曇りを防止し、視認性を確保する。
 耐擦傷性の付与では、すでに特殊な紫外線を照射することでシリコーン系ハードコート材の表面をガラス化する超硬質ハードコート技術を開発している。鉛筆硬度5Hとガラス(6H)に近い表面硬度を実現。テーパー摩耗試験でも、ガラスに近い耐擦傷性を達成している。
 また、ハードコート層を2層化し、内側のプライマー層に近赤外線の透過を80%遮断する機能を付与する技術も開発。プライマー層に赤外線を吸収する微粒子を分散させた。これにより夏場の室温上昇を抑え、エアコン使用を抑制して燃費性能を高めることができる。プライマー層はさらに断熱機能も持っており、冬場の暖房用のエネルギーを抑える効果がある。同技術は、自動車向けに先立ち、建築用ガラスで採用が始まっている。
 PC樹脂グレージングによるガラス窓代替は、自動車の軽量化効果が大きく、燃費性能改善の直結する。フロントガラスについては、衝突の際の乗員保護の観点から、中間膜を組み込んだ合わせガラスの使用が法制化されている。このため、サイドウインドウ、リアウインドウ、ルーフウインドウなどが代替のターゲットとなっている。
 このうち、サイドやルーフについては、すでに日系自動車メーカーもPC樹脂グレージングの採用を始めている。一方、リアウインドウについては、ワイパー使用をクリアする帯擦傷性能や、視界を確保するための防曇性付与などが要求され、採用には至っていない。
 このためレニアスは、超硬質ハードコートや発熱機能など需要家が求める各種機能をPC樹脂グレージングに同時に付与することで、リアウインドウでの早期採用を目指す考えで、自動車部品メーカーとの協業体制も模索していく。

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