LAFジャパン(福岡県北九州市)は、耐食性や強度に優れた新マグネシウム合金「JDM」シリーズの市場展開を本格化する。同合金は希土類元素などの添加により各種特性を向上させたもの。熱処理後の機械的特性および耐食性でアルミ合金並みを実現した高強靭合金JDM1でエンジンブロックやタイヤホイールといった用途開拓を進める一方、シリンダーヘッドなどへは高温強度に優れるJDM2を提案する。同社では、受託加工や技術支援を含むソリューションとして提供することで採用拡大を図る。
 LAFジャパンは、上海軽合金精密成型国家工程研究中心有限公司の日本法人。同センターは軽合金に関する素材開発から製品化へのプロセスを専門に研究する上海交通大学の学内組織であり、新マグネ合金のJDMシリーズは同センターが長年の研究成果をベースに実用化したもの。LAFジャパンでは母合金や各種加工機械を販売するほか、親会社と連携して製造プロセスに技術サービスや受託加工などを提供する。
 JDM1は、多種の低コストレアアースと亜鉛・カルシウムなどを有機的に結合することで高強度かつ高靱性を実現したもの。成形後T6熱処理した製品は、300度Cの引っ張り抵抗強度が170メガパスカルでクリープ抵抗性にも優れており、自動車用エンジンブロックなどに使用されるアルミ合金と同等の性能を実現。また、自然酸化膜の形成によりアルミ合金(6063)並みの優れた耐食性を有するのが特徴。
 すでに米GM社とエンジンブロックを試作しているほか、欧州自動車メーカー向けにホイールの量産化が始まっている。価格はAZ91Dに比べ30%程度割高になるが、性能面での優位性からアルミ合金に代わる軽量素材として採用を見込んでいる。
 一方、JDM2は、亜鉛添加によりマグネシウム基体の高温性能を高めることで強度および耐熱性を向上した合金。鋳造品では素材温度300度Cにおける引っ張り抵抗強度が275メガパスカルとアルミ合金を凌ぐ高温性能を実現しているほか、成形性に優れるため鋳造以外に押出や圧延、スタンピングなどで部品を製造することが可能だ。比重が2・0グラム/立方センチメートルと軽く、すでに次世代エンジンピストンの研究試作に成功している。
 同社では、自動車用途以外でもこれら特性を生かした用途展開が可能とみており、積極的にPRしていく考え。

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