神戸製鋼所とダイヘンは、亜鉛メッキ鋼板の溶接性を向上する溶接技術を開発した。溶接に使う装置やワイヤーを工夫し、鋼板表面に気孔が発生する不具合や溶接作業時に飛び散る火花の量を低減して作業性を高めた。溶接速度は従来比2割程度速くできるという。今夏をめどに新しい溶接プロセスとして販売を開始する予定で、自動車分野に照準を合わせて拡販する。
 亜鉛メッキ鋼板の溶接工程では、ピットやブローホールといった気孔の発生が問題になる。こうした気孔欠陥の手直しなどにより作業効率が低下し、ユーザーの生産性悪化やコストアップなどにつながっていた。
 今回開発した溶接プロセス「J-ソリューション Zn」は、溶接時に気化し、気孔の原因になる亜鉛ガスを欠陥にならないように排出させる。神戸製鋼の溶接材料設計技術、ダイヘンの波形制御技術を活用、気孔欠陥がほとんど発生しない技術を開発した。品質劣化や作業者の火傷などを引き起こす火花(スパッタ)も従来に比べて6割程度低減する。
 開発の基礎研究には大阪大学接合科学研究所も参加し、溶接現象の可視化により溶接時の状況を詳しく解析した。
 上市後はダイヘンが溶接装置、神戸製鋼が溶接用ソリッドワイヤーを製造・販売する。ユーザーの品質や生産性の向上、コスト削減に貢献する溶接プロセスとして拡販する。当面は国内を中心に販売するが、将来的にはグローバル展開も進める考え。
 販売価格は、ワイヤーなどを含まない溶接装置一式で約600万円の見込み。年間300セット程度の販売を目指す。新技術は、今月開催予定の溶接学会、国際ウエルディングショーで発表する。

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