永和化成工業の中国法人である永和精細化工(常熟)有限公司は、化学発泡剤の取り扱い性を向上するマスターバッチ事業に参入する。自動車向けを中心に急拡大する需要に対して、より安全性を高めた商品展開を行うことで事業の成長を加速する。マスターバッチ化の設備導入に向け、中国における第2工場の建設にも着手。早ければ9月の立ち上げを予定する。2?3年後には月産100トンの設備のフル稼働につなげる。
 日本の永和化成を含めたグループの強みは、ベースとなる発泡剤の合成から調合まで一貫して行い、顧客ニーズに応じた最適グレードを提供できること。顧客の現場をみて、意見交換し、設備ごとの癖に合わせた一品一様の薬剤を作り上げている。そのグレード数は数百、数千にも及び、「機能性発泡剤としては世界一のメーカー」(濱崎正副総経理)を自負する。樹脂やゴムのみならず、セラミックの発泡まで行えるという。
 永和精細化工は、江蘇省の常熟経済開発区に本社および工場を構え、ヒドラジン誘導体(OBSH)系の発泡剤を中心に事業を展開している。OBSH自体については江西省の協力工場に一部出資し、技術指導してOEM生産している。
 現在、この協力工場の隣接地に新工場を建設中。敷地面積は8000平方メートルでニーダー、ロール、ルーダーなどの設備を導入する。土地、建屋を含めた投資額は約2億円。同社が扱う熱分解型の化学発泡剤は、熱をかけて発生する炭酸ガスや窒素ガスを発泡に利用する。しかし、ゴムや樹脂に発泡剤を配合する際にも熱をかける必要があるため、発泡剤を分解させずに均一分散するには一定の技術が必要になり、作業者間格差が生まれやすい。このため「マスターバッチの潜在ニーズは非常に大きい」(中瀬悟副董事長)。まずは年間1000トンの販売を目指すが、将来的には1万トン規模に拡大する可能性も高いという。日本の永和化成では以前からマスターバッチ事業を展開しているが、中国で生産するのは初めてとなる。現在、機能性発泡剤として年間3000?4000トン規模を販売している。マスターバッチは2倍希釈品を中心とする考え。
 同社は三菱ガス化学の子会社で、化学発泡剤の総合メーカーである永和化成が中国市場開拓のために設立した。2007年5月から稼働している。永和化成が95%、豊通ケミプラスが5%出資する。稼働後2年ほどで単月黒字化を果たしており、すでに累積損失も解消。足元の売上高は10億円台に乗せるまでに成長してきた。
 今後も売上高は年率10?30%での拡大を見込んでいる。現状は売り上げの半分を海外に輸出しているが、中国内販売の7割は自動車向けに出荷しており、軽量化、低燃費などのニーズの高まりから、さらなる拡大が見込める。建築物の保温・断熱用途や低倍率の押出成形品などの取りこぼし分も拾い上げていき、今後は中国での拡大スピードを速め、中国内販比率を8割へと高めていく。

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