熊本大学先進マグネシウム国際研究センターの河村能人教授は、不燃性高強度マグネシウム合金を開発した。新合金は、独自の添加元素と製造条件の制御により、純マグネシウムの沸点(1091度C)を上回る発火温度1105度Cを実現。また、機械的強度(耐力)が480メガパスカルと市販マグネ合金(AZ31)の2倍超、高強度アルミ合金(超ジュラルミン)の325メガパスカルを凌ぐ高強度化を達成している。不燃性と高強度の両立により、輸送機器の構造材向け軽量素材として需要が見込まれる。
 実用金属の中で最軽量のマグネシウムは、近年の省エネニーズの高まりを背景に工業用軽量素材として研究が活発化している。発火しやすい特性については、適用用途の制約や防燃ガス使用による環境負荷やコスト増の要因となっていることから、高強度化や常温成形性の向上とともに合金開発の主要テーマの1つとなっている。これまでの合金開発では発火温度を850度Cまで上げるのが限界だったほか、アルミ合金に対して機械的特性の優位性も低く軽量性を十分に生かすことができていなかった。
 新開発の不燃性マグネ合金は、非常に緻密な酸化被膜を瞬時に形成する特性を有しており、これによって発火温度を純マグネシウムの沸点以上に引き上げることに成功した。添加する微量元素にレアメタルなどの高価なものを使用していないため市販のマグネ合金以下の低コスト化を実現しており、強度的にも優れることから展伸材原料として幅広い用途での採用が期待される。
 今後、同センターでは耐食性や機械的強度のさらなる改善に取り組むとともに、企業と連携して量産化技術および応用製品の開発を推進していく。

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