鋳造メーカーのコイワイ(本社・神奈川県秦野市)は、3次元データによる積層造形の取り組みを拡大する。新たに電子ビーム積層造形(EBM)システムを導入し、金属粉末を使った部品製造に乗り出すもの。同システムは、合金粉末を高速移動する電子ビームにより急速溶融・凝固させる技術で、複雑形状の部品を短時間で高精度に製造できる。同社では、試作はもとより量産への展開も視野に自動車や航空機、各種産業機器などの分野で展開していく。
 同社は自動車や産業機器向けなどの金属部品を展開する鋳造メーカー。本社工場および宮城工場(宮城県柴田郡)に量産体制を構築するほか、鋳造用金型を製作する横浜工場(神奈川県)とレーザーおよびインクジェット積層工法による中子型、本型製造を行う西湘R&D(神奈川県小田原市)を有する。また、本社工場には車両用向けなどの試作、研究開発用鋳物を手掛ける試作部門がある。
 同社の特徴は、3次元データから直接砂型を作成する積層造形法を鋳物製造に取り入れていること。同技術は断面形状の薄い層を積み重ねることで製品を形作るもので、削り出しやパーツを組み合わせて作成する従来法に対して、自動かつ短時間でできるという利点がある。製品に応じてこれら工法を使い分けることで短納期・低コスト化に取り組んでいる。
 新たに導入するEBMは、2500度C以上に加熱したフィラメントから放射された電子で金属粉末を溶解・凝固させて金属部品を製作する。真空溶解のため不純物の混入がなく高品質・高密度な製品ができるほか、予備加熱があるため造形後にひずみを除去する熱処理が不要。また、チタン合金やコバルトクロム合金など多様な合金を素材として使用することが可能だ。造形可能サイズは200×100×350ミリで、年内にシステムを導入して来年から事業化する計画だ。
 同社では、大型造形ボックスの導入により積層造形で鋳造用中子を量産している。金型が不要で迅速な設計変更が可能といった特徴から、金属部品についても用途によっては適用の可能性があるとみて取り組んでいく。

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