スズキは、独自開発した自動車用ポリプロピレン(PP)樹脂材料の本格展開に乗り出した。新材料「スズキ スーパー ポリプロピレン(SSPP)」は、タルクなどの無機充填材を使用せずに従来材と同等の機械物性を実現したもので、軽量化および透明性付与による無塗装化を実現しているのが特徴。独自の無塗装化技術との組み合わせにより、従来比約10%軽い高輝度シルバーメタリック色のスキッドプレートとして、7月11日発売の「エスクード」に採用した。同社では、SSPPの適用を内装部品やバンパーなどの外装部品へ拡大していく。
 PPは安価で物性バランスや成形加工性に優れており、自動車樹脂部品における使用比率で4割超を占める主要材料。近年、PPに対しては世界的に高まる軽量化ニーズを背景にさらなる低比重化が求められているほか、環境負荷物質や塗装コストの低減化ニーズから広がる無塗装のまま使用する材料着色化の取り組みに対応するために、発色性や耐傷付き性といった特性向上が課題となっている。
 従来材は、PPにエチレン・プロピレンゴム(EPR)を混合したベース材に、無機充填材などを添加することで剛性や耐衝撃性などの物性を向上させた3元系材料が一般的。低比重化や透明性向上の実現のために、結晶核剤など添加剤の改良やタルクに代わる無機充填材の開発などが取り組まれているが、透明性・剛性・耐衝撃性のすべてを満足した材料開発にはいたっていない。
 新たに開発したSSPPは、高剛性のベースPPにスチレン系の熱可塑性エラストマーのみをナノ分散することで、剛性と耐衝撃性を両立したのが特徴。従来材と比べて同等の曲げ剛性を確保しながら、タルク無添加により重量を抑えることができ、同一形状部品で約10%の軽量化ができる。また材料の透明性が高まることで、3元系PPでは実現できなかった色の発現を可能としている。
 エスクードに装着したスキッドプレートは、SSPPを世界で初めて市販車に採用したもの。ウェルドラインなどの外観不具合の発生を抑制しつつ、塗装並みの光輝感を可能とする独自の無塗装技術により高輝度のシルバーメタリック色を実現している。塗膜がないため走行中の飛び石などで傷が付いても目立ちにくく、無塗装化により塗料から大気に排出されるVOCが発生しないため環境負荷低減に貢献する。
 SSPPは特許出願中の新技術であり、同社では適用用途の拡大を推進していく。

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