特殊鋼加工を手掛ける守谷刃物研究所(島根県安来市)は、超熱伝導材料・STCの用途開拓を推進する。電動制御化の進展を背景に放熱ニーズが高まる自動車分野を軸に実用化を推進するもの。STCは銅系およびアルミ系の2種類があり、いずれも添加する黒鉛粒子の配向制御により優れた熱伝導率を達成しており、銅系材料の銅単体に比べて1・5倍の熱伝導率(平面方向)を実現している。同社は各種ヒートシンクや電熱板に有望とみており、外部企業の共同開発も視野に取り組んでいく方針。
 STCは島根県産業技術センターとの共同研究により開発した超熱伝導材料。黒鉛と銅もしくはアルミを粉末焼結により複合化したもので、黒鉛粒子を一定方向に整列することで優れた熱伝導性を実現している。銅系のSTC?CHの熱伝導率は630ワット/メートル・ケルビンと、銅(1100系合金)の400ワット/メートル・ケルビンを大幅に上回る。また、アルミ系のSTC?AHも540ワット/メートル・ケルビンと、アルミニウム(1000系合金)の2倍以上の高熱伝導性を有する。両製品とも市場ニーズへの対応を目的に、高熱伝導品および中熱伝導品を用意している。
 熱膨張率が1ケルビン当たり7?17×10のマイナス6乗と従来材より低く、半導体素子などと確実な接触を維持できるのが特徴。また、成形加工については焼結金属のため切削加工となるが、板材なら厚さ1ミリメートルの製品が提供可能。特性および生産性を含むコストの観点から銅?モリブデンや銅?タングステンなどの代替として、放熱基板などプレート形状での製品化が有望とみる。
 同社は日立金属のグループ会社で、特殊鋼を用いた機械部品、自動車部品などを生産している。現在、複数の国内メーカーにおいてSTCの特性評価が進められており、ユーザーニーズへの対応を進めることで早期事業化を目指す。

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