三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)は、自動車向けポリカーボネート(PC)樹脂グレージング事業を拡充する。自動車用PCグレージングは欧州で採用が先行しているが、軽量化の要望が高まるなか、日本でも2015?16年に本格普及期を迎えると予想されている。同社は親会社の三菱化学や自動車用ハードコート材で多くの実績を持つ三菱レイヨンと協力体制を構築しながら、新規PCおよびハードコート材の開発を推進、普及促進につなげる方針だ。
 PCグレージングは形状の自由度や軽量化に加えて高い衝撃強度が注目され、ガラス代替材料として欧州自動車メーカーに多く使用されている。日本では一部車種への採用にとどまっているが、徐々に採用機運が高まっている。16年には1万1000トンの需要が見込まれている。
 PC国内大手のMEPは、自動車用グレージングを重点分野の1つと位置付け製品開発を強化している。昨年には豊田自動織機と協力し熱安定性に優れたグレージング用PCを開発、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウスα」のパノラマルーフに採用された。
 従来のPCは大型の成形品に適用する場合、成形機内の滞留による諸物性の低下が課題となっていた。同社は成形性(流動性)やハードコート密着性、耐候性、可視光線透過率・色相、耐衝撃性を兼ね備えた窓部分向けの透明PCに加えて、従来のPCアロイに比べて滞留熱安定性を大幅に向上させた窓枠部分向けの強化系PCアロイを新たに開発、実用化にこぎ着けた。
 今後は熱線遮蔽など機能付与技術の開発にも力を注ぐ。PCは近赤外線域の遮蔽性能が劣るため自動車用グレージング用途では熱線遮蔽機能の付与が必要となっている。同社は染顔料技術を応用し金属酸化物を配合した熱線吸収PCを開発、次世代のグレージング材料としてユーザーへのアプローチを進めていく。
 また耐久性の要望に合わせ、PCグレージングの耐候性や耐摩耗性をさらに高めるハードコート技術の開発を推進する。自動車ヘッドランプのハードコート材で高いシェアを持つ三菱レイヨンと協力しながら、新規UV硬化ハードコート材の開発、実用化を目指していく。

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