住友電気工業は、高強度・高耐熱性を有するアルミニウム製自動車用ワイヤーハーネスを開発した。高電導性と既存の銅合金を上回る機械的特性を両立したアルミ合金を開発することで実現したもの。大幅な特性向上によりエンジン回りを含む既存の低圧系ハーネスすべてを置き換えることが可能。すでに評価試験を進めており、今秋にもサンプル供給を開始する計画。開発品は従来品に比べて軽量化と低コスト化が可能であり、市場投入によりハーネスのアルミ化が一気に加速することが予想される。
 自動車のワイヤーハーネス(組電線)は、車両に搭載された電子部品や電装品を電気的に接続し、相互の情報と電力の電装を中継する役割を担う。このうち電力系では、近年の地金価格の上昇と車体軽量化ニーズを背景に、電線として使用する素材をこれまでの銅からアルミへ転換する取り組みが活発化。すでに駆動モーターとバッテリーを結ぶ高圧系はアルミ製が標準化されているが、低圧系においては屈曲強度などに課題があり適用個所が限られている。
 住友電工は、自動車用ワイヤーハーネスの世界的大手メーカー。通信系ではテンションメンバーとしてステンレス線を採用した導体断面積0・13ミリメートルの最細製品を2007年に開発。アルミ製の低圧系ハーネスも他社に先駆けて2010年から量産を開始しており、すでにドアを中心にトヨタ・ラクティスなど複数車種で採用されている。
 開発品は、独自技術をベースに既存の銅合金を上回る物性を有するアルミ合金の開発により実現したもの。屈曲強度や引っ張り強度といった機械的特性や耐熱性の大幅な向上により、開閉機構部やエンジン回りといった従来品では対応困難な個所に適用できるのが特徴。また、50%以上の導電率を確保することで材料置換による線径の肥大化を最小限に抑え、コネクターなど既存部品を流用できるようにしており、新たな設備投資を必要とせずに銅合金製からの切り替えが可能だ。
 同社では、他社に先行して商品化することでアルミ製低圧系ワイヤーハーネスのディフェクトスタンダード化を目指す。

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