帝人化成は、熱線遮断機能を付与したポリカーボネート(PC)樹脂を開発した。PCと特殊無機微粒子をコンパウンドした。透明性に優れるため、高い可視光線透過率を維持しながら、紫外線、赤外線はカットする。自動車の窓をはじめとしてさまざまな分野へサンプルワークを開始しており、すでに建材用途で採用に向けた評価も進んでいる。三原工場(広島県三原市)で生産し、需要動向を見極めながら来年度以降、松山工場(愛媛県松山市)で量産する考え。来年度1000トンの販売を目指す。
 熱線遮断PCは、カーポートなどの建材用途で使用されている。特殊有機系色素を使用することで機能性を付与しているが、特定の領域の光線しかカットできない。またもともとPCは黄緑色をしており、可視光線領域での透明性が低くなってしまう。
 帝人化成は、自動車の窓をターゲットとして熱線遮断PC樹脂の開発をスタート。PC樹脂の基本物性はそのままに透明性と、赤外線を吸収する特殊無機微粒子をコンパウンドすることで、熱線遮断の機能性を付与することに成功した。コンパウンド処方を工夫することで安定化させて、コンパウンド時の樹脂分解を防いだ。
 開発した熱線遮断のPC樹脂「AM?1100ZV」シリーズは、可視光線透過率74%のフロントガラス向け、同20%のプライバシーガラス向け、同5%のサンルーフ向けの3グレードを揃える。入射する太陽エネルギーを1として、室内に流入する熱量の比率を表した「日射熱取得率」は、厚さが5ミリメートルのPC樹脂が0・83、6ミリメートルのガラスが0・85であるのに対して、開発したフロントガラス向けは0・56、プライバシーガラス向けは0・34、サンルーフ向けは0・29を達成した。
 自動車をはじめとして国内外でさまざまな分野へサンプルワークを開始しており、すでに一部建材用途では採用に向けた評価が進んでいる。自動車の場合は窓以外の部分からの熱の取り込みが大きいため、帝人グループで研究を進めている放熱材料を使用したボディ材料や表面塗装材などと併せて提案していく。来年度に1000トン、2020年度には数万トンの販売量を目指す。

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