ブリヂストンは、トラック・バス(TB)用タイヤの性能向上を可能とする独自製法を開発した。新製法はタイヤ本体(ケーシング)と表面のトレッド部分を別々に最適条件で製造し、それを後から張り合わせて一体化するもの。加えて、トレッド部分およびケーシングそれぞれに新開発のコンパウンドを採用することで、従来品に比べて大幅な転がり抵抗の低減と1・5倍以上の耐久性を実現した。工程数が増えるため製造コストは割高となるが、「補って余りあるほどのベネフィットが得られる」(同社)。すでに実地評価を進めており、早期実用化を目指す。
 通常、新品タイヤはタイヤを構成する部材をすべて組み立てた後に、熱と圧力を加えて加硫することで製造する。加硫工程ではトレッドパターンの成形も同時に行うため、金型の形状により圧力のかかり方が不均一であり、非常にわずかながらスチールベルトの歪みとなりタイヤの耐久性を損ねていた。
 開発した新製法「TRISAVER(トライセイバー)」は、2007年に買収したバンダク社のリトレッド技術を応用したもの。トレッド部分を別個に製造することで、まったく歪みのないケーシングを実現するとともに、それぞれに専用コンパウンドを開発することでタイヤ性能の飛躍的な向上を可能としている。
 燃費性能を左右する転がり抵抗では、汎用タイヤに比べて35%(ライフタイムRRC)の大幅減を実現するとともに、低燃費タイヤに対しても13%(同)の改善を図っている。また、走行中のタイヤ温度(サイド部)が従来品より4?5度C低く、ベルト性状の均一化による内部歪みの低減からケーシングの耐久性も向上。これまで国内の使用条件では1回が限界だったリトレッド回数を2回まで可能とした。
 トライセイバーの事業化に向けては、ユーザーの使用状況に最適なトレッドを提案する新たなビジネスモデルを構築する計画。構想ではタイヤの温度や内圧、運行データなどをモニタリングするITシステム(タイヤマティクス)をベースに、顧客ニーズに合わせて低燃費トレッドやバランス型トレッドのカスタマイズタイヤを提供する考えであり、同社ではTBタイヤ事業の差別化戦略として取り組んでいく。

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